ランフラットタイヤとは?メリット、デメリット、寿命と交換時期

走行中や気がついたらタイヤがパンクしていた、という経験がある方は決して少なくありません。
タイヤがパンクをしてしまうと、スペアタイヤと交換をしたりパンク修理キットで応急処置をその場でする必要があります。

そんな時に便利なのが、パンクをしても一定の距離を走行出来るランフラットタイヤです。
この記事では、ランフラットタイヤのメリットやデメリット、寿命や交換時期を詳しく解説していきます。

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ランフラットタイヤって何?


ランフラットタイヤとは、タイヤがパンクした場合でも、一定の距離を一定の速度で走行できるタイヤです。

通常のタイヤであれば、パンクした場合、タイヤ内の空気圧が低下し、タイヤが潰れ走行できなくなります。

しかし、ランフラットタイヤであれば、サイドウォールの剛性を強化して作られているので、空気圧が低下しゼロになってしまった場合でも、タイヤの形状を維持することができるので走行が可能です。

ランフラットタイヤは、2000年代初頭から市場に出始めた新しいタイヤで、各メーカーが現在も研究開発を進めています。

ランフラットタイヤの特徴


ランフラットタイヤの1番の特徴は、パンクをして空気圧がゼロの状態でも、約80kmを走行することができるという事です。

ランフラットタイヤは、通常のタイヤと比べ、サイドウォールの剛性を強化して製造されており、空気が抜けていてもタイヤの形状を維持することができます。
そのため、タイヤがパンクしていてもガソリンスタンドやカー用品店、整備工場などタイヤ交換ができる設備のある場所までスペアタイヤに交換することなく自走で向かうことができます。

通常のタイヤであれば、パンクをしてしまうと、車を止めてスペアタイヤと交換をするか、車載のパンク修理剤を注入してパンクを一時的に止めるかという作業が必要です。一方、ランフラットタイヤを履いているとそういった作業の必要がないため安心です。

事故を防いだり、後続車や他の車両に迷惑をかけるリスクを減らすことができます。

ただし、ランフラットタイヤは、サイドウォールが強化されており、パンクしたことに気づきにくいため、タイヤの空気圧をモニタリングするシステムの装着が必須となります。
TPMS(タイヤ・プレッシャー・モニタリングシステム)と呼ばれる装備で、タイヤの空気圧が低下すると、車内の警告灯が点灯してドライバーに知らせる仕組みになっています。

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ランフラットタイヤのメリット


ランフラットタイヤのメリットは、下記のような内容があげられます。

  • 急なパンクでも走行することができる
  • 事故のリスクを減少させることができる
  • スペアタイヤを積載しなくてよくなる
  • 車内空間が広くなり荷物がより多く載せられる
  • 軽量化による燃費の向上

1つずつ順に説明します。

急なパンクでも走行することができる

ランフラットタイヤは、サイドウォールが強化されているため、急にパンクした場合でも80km/hの速度で80kmの距離を走行することができます。

通常のタイヤであれば、パンクするとタイヤがつぶれ安全にハンドル操作ができないので、走行することはできません。その点、一定の速度で一定の距離を走行できるランフラットタイヤにはメリットとなります。

事故のリスクを減少させることができる

ランフラットタイヤは、パンクしても走行可能です。万が一、急にパンクをしても慌てて停車する必要はありません。事故に繋がる可能性をグッと減少させることができます。

例えば、高速走行時にパンクしてしまった場合、「スタンディングウェーブ現象」が発生する可能性があります。最悪の場合、タイヤのバーストによって事故に招く可能性があります。

このような、最悪な事態へのリスク回避ができるのもランフラットタイヤのメリットです。

スペアタイヤを積載する必要がない

スペアタイヤは、パンクした際の応急用のタイヤです。ランフラットタイヤであれば、パンクをしても自分でスペアタイヤと交換する手間がなくなります。また、余裕をもってディーラーや整備工場、カー用品店などへ向かうことができるので安心です。

また、スペアタイヤを搭載しなくて良い分、スペースを確保することができます。空いたスペースに荷物を載せることができるのもメリットの一つです。

軽量化による燃費の向上

スペアタイヤを搭載しなくて良い分、車両が軽量化され、燃費の向上に繋がります。それにより、CO2排出量削減にも繋がるので環境に優しいタイヤと言えます。

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ランフラットタイヤのデメリット


ランフラットタイヤのデメリットは、下記のような内容があげられます。

  • タイヤの価格が高い
  • 作業代が高い
  • 乗り心地が悪くなる
  • 取り扱い店舗が少ない
  • パンク修理ができない場合がある

順に説明していきます。

タイヤの価格が高い

ランフラットタイヤは、サイドウォールの剛性を高めたりしているために、ノーマルタイヤと比べると価格が高くなります。そのため、車の維持費を考え、ランフラットタイヤからノーマルタイヤに変更する方もいます。

作業代が高い

ランフラットタイヤは、タイヤ交換作業を行う時に特殊な工具や高い技術が必要になってきます。
そのため、ノーマルタイヤを交換する時と比べると価格が高く設定されています。

ランフラットタイヤを取り扱いしているお店も多くありません。例え、持ち込みでランフラットタイヤの交換をお願いしても、工具が無かったりすると対応してもらえない場合があります。

乗り心地が悪くなる

ランフラットタイヤは、サイドウォールの剛性を強化しているため、ノーマルタイヤと比べると路面からの振動や衝撃を吸収できないため、乗り心地が悪くなります。

これは、構造上避けることができません。
乗り心地を向上させるために、標準でランフラットタイヤが装着されている車種は、サスペンションの硬さを調整して乗り心地を改善しています。

パンク修理ができない場合がある

ランフラットタイヤは、パンクをして空気圧がゼロの場合でも一定の距離走行できます。一方、走行中にタイヤ内部が見えない損傷を負っている可能性があります。

どんな傷か分からないままパンク修理を行い、空気を入れた時にバーストしてしまうことが考えられます。

タイヤメーカーではランフラットタイヤのパンク修理は推奨していません。ランフラットタイヤがパンクした場合、パンク修理可能かタイヤ交換かをプロに判断してもらう必要があります。

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ランフラットタイヤの寿命と交換時期


ランフラットタイヤの寿命は、ノーマルタイヤと同様にスリップサイン(タイヤ残量1.6mm)が出たら寿命です。
スリップサインが出ると、車検にも通りません。タイヤの性能も非常に低下し、危険なので即交換が必要です。
また、ランフラットタイヤの場合は、パンクした時も交換時期となる可能性があります。
ノーマルタイヤであれば、パンクの箇所や傷の大きさ、サイドウォールの損傷具合によりますが、パンク修理が可能です。
しかし、ランフラットタイヤは、パンクをしてもサイドウォールが形状維持できるため内部の損傷が分かりにくく、想像以上に内部の損傷をしている可能性があります。そのため、ランフラットタイヤは、基本的にはパンク=交換時期と考えて間違いありません。

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まとめ

ランフラットタイヤは、パンクした場合でも一定の距離を走行できたり、パンク時の2次災害を防いだり、室内空間が広くとれたりとメリットが多くあります。

しかし、価格が高いことや交換工賃が割高になるなどのデメリットもあります。ランフラットタイヤは、現在も各メーカーが日々、研究開発を進めています。

ランフラットタイヤとノーマルタイヤのどちらが良いというのはありませんが、どちらもメリット、デメリットがあるので、それを比べ自身の考えに合う方を選択するようにしましょう。

タイヤ流通センターでは、タイヤの見積もりがカンタン!スマホやPCから、クルマのメーカーと車種、ホイールサイズを選ぶだけのシンプルなステップで、その場で見積もりができます。価格が一発で分かるから安心です。

そのまま取り付け予約もできて、あっという間にタイヤ交換予約ができちゃいます。タイヤ代や工賃、廃タイヤ処分料などの明細も見られるので、「いくらかかるか分からなくて不安…」という心配もありません。

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監修者:こげパン
現在、一級自動車整備士(整備士歴10年)として整備工場に勤務。専門学校卒業後、輸入車ディーラーに整備士として勤務、6年間で3社を経験。その他、「国家二級ガソリン自動車整備士」「国家二級ディーゼル自動車整備士」「アーク溶接」「低圧電気取扱者」の資格を保有。

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