タイヤのスリップサインって何?放置すると危険!?

タイヤ
同じタイヤを使い続けていると現れるスリップサイン。「スリップサインが見えたらタイヤ交換をしよう」と考えている方もいるかもしれませんが、それだと遅すぎます。では、具体的にスリップサインがどのような状態になったら、タイヤ交換に着手すればよいのでしょうか?

今回は、スリップサインの概要をはじめ、スリップサインがある理由や確認するための方法、さらにはスリップサインがドライバーに及ぼす影響などについてご紹介します。長年、同じタイヤを使い続けている方は、この記事を参考にタイヤの点検をしてみてください。

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タイヤのスリップサインって何?

タイヤの溝には、盛り上がっている部分が数ヶ所あります。この盛り上がりは、タイヤの寿命を知らせる「スリップサイン」が現れるポイントです。走行距離の増加に伴いタイヤの摩耗が進むとスリップサインが出て、タイヤの「交換時期」を知らせてくれます。

タイヤのスリップサインの見分け方

スリップサインを見分けるためには、まずタイヤの側面にある三角マーク(△)を確認しましょう。メーカーによって異なりますが、三角マークはタイヤに4〜9ヶ所ほど存在します。タイヤの摩耗が進むにつれて、三角マークの延長線上にスリップサインが現れるという仕組みです。

スリップサインは、すべての溝に出るとは限りません。なぜなら、大抵の場合は運転の仕方や路面環境、タイヤの空気圧の変化によって、摩耗する範囲が偏ってしまうためです。例えば、タイヤの空気圧が高すぎると真ん中だけが摩耗した「センター摩耗」、空気圧が低すぎるとタイヤのショルダー部分が摩耗した「両肩落ち摩耗」となります。

摩耗が偏っていると、スリップサインが見えづらくなります。そのため、一箇所だけで問題ないと判断せず、念のため4本すべてのスリップサインを確認するようにしましょう。

スリップサインはタイヤの寿命の案内

タイヤの寿命は、すり減り具合で判断できます。つまり、タイヤの寿命を知らせる目印がスリップサインなのです。

そもそも、新品のタイヤには深さ8mmほどの溝があります。この溝はタイヤの駆動性や制動性にくわえて、雨の日の排水性も兼ね備えています。しかし溝が浅くなってくると、これらの性能が落ちてきてしまいます。例えば、水の上を走行したときにタイヤと路面の隙間に水が入って、宙に浮いたような感覚に陥ります。ハンドルやブレーキも効かなくなるため、事故を引き起こす危険性が高くなってしまうのです。これが、いわゆる「ハイドロプレーニング現象」です。

なお、タイヤメーカーが実際に調査したところ、溝の深さ「4mm」を機にタイヤの性能が下がり始めます。仮にスリップサインが出ていないとしても、ブレーキの効きが悪くなったりカーブで曲がりきれずに大回りしたりと運転に支障が出始めた場合は、タイヤ交換の時期と捉えましょう。

スリップサインが出たらすぐタイヤを変更する

スリップサインが出ている古いタイヤを付け続けていても、何のメリットもありません。スリップサインが出る頃にはタイヤの劣化が進行し、車両の燃費が悪くなったり走行中に危険が伴ったりします。こうしたトラブルを未然に防ぐためにも、スリップサインが出始めたらすぐにタイヤ交換をしましょう。

なぜスリップサインに注意しなければならない?

道路
じつは、スリップサインの役目は「タイヤの交換時期を教えてくれること」だけではありません。スリップサインが出た段階で、「交換しなければいけない」というルールがあるのです。

法律で定められている

道路運送車両法によって、タイヤの溝の深さは「1.6mm以上」と定められています。スリップサインは溝の深さが「1.6mm以下」になると出てくるため、そのまま放置すると処罰の対象となってしまうのです。タイヤの溝だけで取り締まられるのは非常に稀なケースですが、駐停車しているときやなにかの違反で警察に停められたときに確認されると、「整備不良」として切符を切られるリスクがあります。
また、スリップサイン以外にもタイヤのひび割れや空気圧不足、釘やネジといった異物が刺さっていても同じく罰せられます。知らないうちに違反することを避けるためにも、乗車前には軽くタイヤを点検しておきましょう。

なお、整備不良の車両に課せられる罰則は「違反点数2点・罰金9,000円」です(※2021年3月時点。今後変わる可能性もあります)。

事故が発生する可能性が高まる

スリップサインが出ているタイヤは事故を招く危険性が高くなります。制動力が低下してブレーキやハンドルが効きづらくなってしまうためです。
前述したように、タイヤの溝が4mmを下回った段階で、タイヤの性能は下がり始めます。ブレーキやカーブはもちろん、直進走行時に車両がブレてしまったり天候が悪ければスリップしたりする危険性が高くなるのです。普段から安全走行を心がけることも大切ですが、タイヤのメンテナンスを定期的に行うことで、より一層安全走行に徹することができます。

車検で引っかかってしまう

スリップサインが出ていると車検に引っかかってしまいます。この場合、整備をしたのち再車検を受けなければいけません。

車検(正式名称:自動車継続検査)とは、道路運送車両法に基づいた「保安基準」に適合している車両かどうかを検査すること。新車は3年、それ以降は2年ごとに受けるよう、法令で定められています。前述したように、スリップサインが出ているタイヤは整備不良とみなされます。また当然ですが、車検を受けていない・車検に引っかかったままの車両が公道を走るのも違反行為です。

タイヤは平均すると5年で寿命が訪れます。つまり、新車を購入して1度もタイヤ交換をしていない車両であれば、2回目の車検までに交換しておかないと車検に引っかかる可能性が高くなるのです。スリップサインが見当たらなくても、5年近く使い続けている古いタイヤであれば、車検前にタイヤを交換しておきましょう。

なお、車検は有効期間の切れる一カ月前から受けることができます。車検の有効期間については、車検証をご確認ください。

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タイヤのスリップサインを定期的に確認することが大事

タイヤのスリップサインは定期的に確認することが大切です。繰り返しますが、スリップサインが出始める頃のタイヤは劣化が進行しているため、いつ不具合が起きてもおかしくないような状態であり、非常に危険なためです。スリップサインをこまめに確認していくなかで、もし溝の深さが「4mm」を下回った場合はタイヤ交換を検討し始めましょう。

なお、冬用タイヤの場合は、スリップサインのほかに「プラットフォーム」というサインが出ます。プラットフォームは、冬用タイヤの使用限界を知らせてくれるサインで、タイヤの溝が深さ残り50%になった段階で現れます。ただし、プラットフォームはあくまでタイヤの「使用限界」を示すサインであって、道路交通法に違反するものではありません。

自分で見分けがつかないときは専門家にアドバイスを求める

点検してみても自分で見分けがつかないときは、専門家にみてもらいましょう。専門家であれば、スリップサインをはじめとするタイヤの不具合を細かく確認できるため、より正確な状況判断を行えます。さらに、依頼する先がタイヤ専門店であれば、整備士や整備工場も併設されていることが多いため、店舗によっては車両のメンテナンスも実施してくれます。

タイヤはスリップサインが出る前に交換しておこう!

スリップサイン
どんなタイヤもスリップサインがタイヤの寿命を知らせてくれます。しかし、決して「スリップサインが出るまでタイヤ交換をしなくていい」というわけではありません。スリップサインの出たタイヤは、「整備不良」として取り締まられたり、事故の危険性を高める原因になったりします。さらには、車検で引っかかり余計な出費につながる可能性も。そのため、タイヤは必ず「スリップサインが出る前に」交換しておきましょう。

タイヤ専門店の「タイヤ流通センター」は、北海道から沖縄まで全国150店舗以上を展開しています。使用しているタイヤにスリップサインやプラットフォームがないか細かく点検することはもちろん、タイヤ交換や空気圧の補充など車両のメンテナンスも行います。タイヤに関するご相談のある方は、どうぞこの機会にお問い合わせください。

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監修者:こげパン
現在、一級自動車整備士(整備士歴10年)として整備工場に勤務。専門学校卒業後、輸入車ディーラーに整備士として勤務、6年間で3社を経験。その他、「国家二級ガソリン自動車整備士」「国家二級ディーゼル自動車整備士」「アーク溶接」「低圧電気取扱者」の資格を保有。

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