スタッドレスタイヤがいらない地域はどこ?積雪以外もある冬道のリスクを解説

あまり雪が降らない地域にお住まいの方は、スタッドレスタイヤが必要か悩む場面も多いかもしれません。「今年は暖冬の予報だから、スタッドレスタイヤはいらないかな」と考える年もあるでしょう。ただ、常態化する異常気象や凍結のリスクを考えると、「いらない」と決めてしまうことにも不安が残ります。

今回は、スタッドレスタイヤがいらないと言いきれる地域はどこか、を考えます。積雪以外にもある、冬の道路のリスクもまとめました。冬も安心・安全走行を叶えるヒントとして、活用してください。

▼この記事を最後まで読んでわかること
・スタッドレスタイヤ いらない地域がどこか
・冬はスタッドレスタイヤが必要な理由
・タイヤ流通センターならお得にスタッドレスタイヤ交換をできること

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結論:スタッドレスタイヤ いらない地域はどこか

国内で、「スタッドレスタイヤがいらない」と言いきれる地域は、多くはありません。東海・近畿以西の地域なら、ほぼいらないと考えられますが、山間部やウィンターレジャーにお出かけの際は、スタッドレスタイヤが必要な場面も見られます。

実際、それぞれの地域はどの程度、雪が降っているのでしょうか。気象庁発表のデータから、各地域の積雪量をまとめました。

北海道・東北

北海道・東北は、いわずもがな、スタッドレスタイヤは必須です。過去30年間に、5cm以上・10cm以上の積雪が観測された日数を、以下にまとめました。

都道府県 観測地点 5cm以上積雪があった日数(年間)※ 10cm以上積雪があった日数(年間)※
北海道 札幌 33.8日 15.5日
根室 11.0日 4.5日
函館 22.7日 9.1日
青森県 青森市 40.8日 22.8日
秋田県 秋田市 20.9日 6.8日
岩手県 盛岡市 14.4日 6.2日
山形県 山形市 20.8日 10.0日
宮城県 仙台市 3.8日 1.5日
福島県 福島市 8.2日 3.4日

※ 積雪日数は、過去30年(1991~2020)の平均値

太平洋側より、日本海側の方が積雪は多くなります。太平洋側の地域も、山間部になると急激に積雪が増えることもあります。

なお、表にない「3cm以上」の積雪日は、さらに多くなります。北海道や東北地域は、スタッドレスタイヤは必須。しかも、10月~11月といった早めの時期に交換を済ませておく必要があります。

関東

関東は積雪量がグンと少なくなるため、「1cm以上・3cm以上」の積雪が観測された平均日数をまとめました。

都道府県 観測地点 1cm以上積雪があった日数(年間)※ 3cm以上積雪があった日数(年間)※
栃木県 宇都宮市 4.0日 1.9日
茨城県 水戸市 2.5日 1.5日
群馬県 前橋市 3.8日 1.8日
埼玉県 熊谷市 3.1日 1.4日
東京都 東京 1.9日 0.7日
千葉県 千葉市 1.1日 0.7日
神奈川県 横浜市 1.6日 0.7日

※ 積雪日数は、過去30年(1991~2020)の平均値

表の日数だけ見ると「ほとんど降らない」「スタッドレスタイヤはいらない」と感じるかもしれません。ただ、関東も山間部に入ると雪が積もります。奥日光(栃木県)では、1cm以上の積雪が観測された日数(平均値)が47.0日、3cm以上の積雪日数は21.0日です。山間部に行く機会が多い人は、スタッドレスタイヤは必須です。

平地の移動がほとんどだ、という方は、積雪より凍結に注意したほうが良いでしょう。詳しくは後述しますが、夏タイヤとスタッドレスタイヤは、氷上性能にも違いがあらわれます。朝晩が冷え込み、路面がアイスバーンになった場合に備え、スタッドレスタイヤがあると安心です。

甲信越・北陸

甲信越・北陸は、積雪量が多く、スタッドレスタイヤが必要な地域です。1cm以上・3cm以上の積雪が観測された日数を、表にまとめました。

都道府県 観測地点 1cm以上積雪があった日数(年間)※ 3cm以上積雪があった日数(年間)※
山梨県 甲府市 3.4日 1.8日
長野県 長野市 33.5日 16.8日
新潟県 新潟市 30.0日 14.0日
富山県 富山市 35.0日 21.8日
石川県 金沢市 30.4日 16.7日
福井県 福井市 32.1日 13.1日

※ 積雪日数は、過去30年(1991~2020)の平均値

日本海側の積雪の多さが目を引きます。日本海側の雪は水分をたっぷり含み、重さがあるのが特徴です。重い雪が降る理由は、冬に吹く北西季節風にあります。 大陸から吹く北西季節風が日本海から湿度を巻き込み、内陸部との境目にある高い山にぶつかって雪雲をつくるのです。

湿度が高い雪は水分を大量に含んでおり、滑りやすくなります。排水性能が高いスタッドレスタイヤの使用をおすすめします。

東海

東海地域になると、スタッドレスタイヤがいらないと感じる場所も増えてきます。1cm以上・3cm以上の積雪が観測された日数は、下表のとおりです。

都道府県 観測地点 1cm以上積雪があった日数(年間)※ 3cm以上積雪があった日数(年間)※
岐阜県 岐阜市 6.6日 3.6日
静岡県 静岡市 0.1日 0.0日
愛知県 名古屋市 2.9日 1.4日
三重県 津市 1.8日 0.7日

※ 積雪日数は、過去30年(1991~2020)の平均値

静岡は、ほぼ雪が降りません。また、愛知や三重も平地での積雪は、ほぼないといって良いでしょう。スタッドレスタイヤが必要かどうかは、お住まいの地域の「冷え込み」によりそうです。

最低気温が5~7℃を下回る日があるようなら、スタッドレスタイヤを使用したほうが良いでしょう。

近畿

あまり雪が降らないイメージもある近畿地方はどうでしょうか。1cm以上・3cm以上の積雪が観測された日数は、下表のとおりです。

都道府県 観測地点 1cm以上積雪があった日数(年間)※ 3cm以上積雪があった日数(年間)※
滋賀県 彦根市 12.8日 7.7日
京都府 京都市 4.9日 1.7日
大阪府 大阪市 0.4日 0.2日
奈良県 奈良市 1.5日 0.6日
和歌山県 和歌山市 0.4日 0.2日
兵庫県 神戸市 0.5日 0.0日

※ 積雪日数は、過去30年(1991~2020)の平均値

日本海に近い滋賀県・京都府は、スタッドレスタイヤの必要性は高いと考えられます。その他の地域は、ほぼ雪は降りません。平地を移動するだけなら、スタッドレスタイヤがなくても問題ないでしょう。

ただ、時折大雪警報が出されることもある地域です。心配な方は、スタッドレスタイヤの準備をおすすめします。

中国・四国

中国・四国地方の積雪状況は、どうでしょうか。1cm以上・3cm以上の積雪が観測された日数をみてみましょう。

都道府県 観測地点 1cm以上積雪があった日数(年間)※ 3cm以上積雪があった日数(年間)※
鳥取県 米子市 18.0日 9.3日
島根県 松江市 15.0日 7.8日
岡山県 岡山市 0.6日 0.2日
広島県 福山市 1.5日★ 0.3日★
山口県 山口市 7.2日 3.0日
徳島県 徳島市 0.9日 0.4日
香川県 高松市 0.5日 0.2日
高知県 高知市 0.3日 0.1日
愛媛県 松山市 0.3日 0.1日

※ 積雪日数は、過去30年(1991~2020)の平均値

★:参考値

鳥取県と島根県は、日本海側に位置することもあり、積雪日数が多めです。この両地域は、スタッドレスタイヤは必須といえます。

そのほかの地域は、おおむね積雪は見られません。ただし、瀬戸大橋(本州四国連絡高速道路)をはじめとする橋梁上は、寒風に吹かれて凍結するおそれがあります。冬、橋を移動する機会が多い方は、念のためスタッドレスタイヤを装着しておくと安心できるでしょう。

九州・沖縄

「雪が降らない」イメージも強い、九州・沖縄地域。実際はどうなのでしょうか。1cm以上・3cm以上の積雪が観測された日数をみてみましょう。

都道府県 観測地点 1cm以上積雪があった日数(年間)※ 3cm以上積雪があった日数(年間)※
福岡県 福岡市 0.9日 0.3日
大分県 大分市 0.3日 0.0日
佐賀県 佐賀県 1.7日 0.5日
長崎県 長崎市 1.1日 0.4日
熊本県 熊本市 0.5日 0.1日
宮崎県 宮崎市 0.0日 0.0日
鹿児島県 鹿児島市 0.5日 0.2日
沖縄県 那覇市 0.0日 0.0日

※ 積雪日数は、過去30年(1991~2020)の平均値

九州以西は、雪はほぼ降らないと言いきれる地域です。この地域内の平地を移動するだけであれば、スタッドレスタイヤは不要といえます。

ただし、山にお出かけの際は、事前に積雪情報をチェックしたほうが良いでしょう。たとえば阿蘇山(熊本県)は、1cm以上の積雪があった日数の平均値は17.6日(参考値)となっています。

冬はスタッドレスタイヤが必要な理由

雪がほとんど降らない地域でも、スタッドレスタイヤの装着が推奨される場合があります。実はスタッドレスタイヤには、雪道走行以外にも大切な性能があるのです。

冬の日本でスタッドレスタイヤが必要とされる理由は、次の3つです。

  • 積雪に対応するため
  • 凍結に対応するため
  • 冷え込みに対応するため

それぞれ、詳しく解説します。

積雪に対応するため

スタッドレスタイヤが必要な理由を考える際、多くの人が真っ先に「雪」を挙げるのではないでしょうか。

雪が積もると、夏タイヤで走行する危険性が一気に高まります。夏タイヤには、雪をひっかくための溝「サイプ」がないためです。サイプは雪をひっかいてタイヤのグリップを助け、さらに雪をタイヤ外に排出する役目も果たします。

雪道を夏タイヤで走行すると、スリップしやすく、スタックにつながるのは、これが理由です。

雪がわずかでも路面にある状態なら、夏タイヤでの走行は多大なリスクを伴います。

凍結に対応するため

スタッドレスタイヤには、「氷上」という性能が備わっています。文字通り、凍結した路面を走るための性能です。

氷の上が滑りやすいのは、タイヤの摩擦によって氷がわずかに溶け、氷との間に薄い水の膜が生まれるためです。スタッドレスタイヤは、この水分を効率良く取り除けるように、ゴム自体が水分を吸収する素材でつくられています。この素材のおかげで、氷上でもスリップせず安定走行できるのです。

冷え込みに対応するため

「雪も氷もなければ、冬でも夏タイヤで走行して危険はない」と、考えたくなるかもしれません。本当にそうでしょうか。

実は、夏タイヤのゴムは、気温が下がると硬化する性質を持っています。そもそも低温下での使用が想定されていないのです。ゴムが硬化すると、タイヤは路面をしなやかにグリップできなくなります。結果、性能を発揮できず、リスクも増大します。

冷え込む時期にスタッドレスタイヤの使用が推奨されるのは、こうした理由もあります。一般的に、夏タイヤが性能を発揮できる気温の下限は「5℃~7℃」といわれます。最低気温が5℃~7℃を下回るようになったら、スタッドレスタイヤを装着した方が安全といえます。

冬の路面のリスク

冬の道路には、さまざまなリスクが潜んでいます。車を運転するすべてのドライバーが気を付けたいリスクを、2つ解説します。

路面凍結が起きやすい場所に注意

「雪がないから」と油断していたら、思わぬ場所の凍結に足を取られた経験はありませんか。雪が降らない地域も、冬は凍結に注意が必要です。とくに、凍結しやすい場所は、以下の5つです。

  • 日陰
  • 橋の上
  • トンネルの出入り口
  • 路面に残る雨水
  • 雪解け水

橋の上が凍結しやすいのは

橋は、上も下も風が吹いており、熱が奪われやすい場所です。地熱によって温められることもないため、周囲にくらべて路面温度が極端に下がります。放射冷却で熱が奪われ、空気中の水分が結露、結果的にアイスバーンが発生しやすい環境といえます。

トンネルの出入り口が凍結しやすいのは

トンネルの出入り口が凍結しやすいのも、橋と同じ理屈です。トンネルを通り抜ける風によって熱が奪われやすいこと、日陰になりやすいことも影響しています。

雨上がりの凍結にも注意

雪ではなく、雨が降った場合も要注意です。雨水が乾き切らず路面に残ると、夜間の冷え込みで凍結し、アイスバーンになる恐れもあります。

雪だけが、スタッドレスタイヤを装着する理由ではありません。冷え込みによる凍結に備えることも、安全運転のためには重要です。

異常気象(大寒波、記録的な大雪)にも注意

近年は、毎年のように「数十年に一度の寒波」「記録的な大雪」といったフレーズを耳にします。地球温暖化の影響か、異常気象が常態化しているといって良いでしょう。

記憶に新しいところでは、2018年大雪が降りました。東京でも23cmという積雪が記録され、福井県を走る国道8号では大規模な立ち往生が発生しています。2024年12月の日本海側も、大雪となりました。山形県で、1日に100cmを超える積雪が記録された地点もあります。

2025年2月は「数年に一度」と形容される大寒波によって、鹿児島で2cmの積雪を記録。西日本でも、積もらないものの、一日中雪が降っている日もあったそうです。

極端な気象現象は、今後も発生すると見られています。これまでスタッドレスタイヤとは縁遠かった地域の方も、「念のため」スタッドレスタイヤを用意したほうが安心な時代といえるのかもしれません。

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まとめ

スタッドレスタイヤがいらない地域は、近畿・中国地方以西です。ただし、西日本といえども積雪の多い日本海側や山間部は、スタッドレスタイヤがあったほうが安心でしょう。

あわせて、冷え込みにも注意してください。低温下では夏タイヤは性能を十分に発揮できません。また、いつもの道にも凍結のリスクが潜んでいます。「雪が降らない=スタッドレスタイヤはいらない」と考えるのではなく、多方面から慎重に判断することが重要です。

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