車のトラブルランキング・発生率最多は「タイヤ」|遭遇時の対処法と回避するポイントを解説
車に乗る以上、誰もが一度は遭遇する可能性があるのが、トラブルです。故障や不具合は、車にはつきものといって良いでしょう。今回、編集部は起こりやすいトラブルを、徹底的に調査しました。
その結果、もっとも起こりやすいトラブルは「タイヤ」関連だと判明。本記事では、車のトラブルランキングを解説した上で、トラブルへの対処法やトラブルを回避するポイントを解説します。
安心して車に乗るために、必見の情報です。ぜひ、最後までご覧ください。
▼この記事を読んでわかること
・車のトラブルランキング
・車にトラブルが起きた場合の対処法
・車にトラブルの前兆
・車のトラブルに備える方法
・タイヤ流通センターなら安くタイヤ交換ができること
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目次
車のトラブルランキング〈国土交通省集計〉
実際に起きた車のトラブルを、ランキング形式で紹介します。まずは、国土交通省が毎年集計している「路上故障の実態調査結果」より、最新の2024(令和6)年度のトラブルランキングです。
【道路別】故障発生の割合
※ 令和6年度路上故障の実態調査結果|国土交通省
電気装置とは、車に備えられた電気・電子機器です。エンジンの始動や充電、灯火、エアコン、各種センサー、制御システムなどが含まれます。
走行装置とは、車を走行させる一連のシステムです。タイヤやホイール、サスペンション、ブレーキ、ステアリングなどを指します。
グラフからは、電気装置・走行装置の故障が突出して多いことが分かります。気になるのは、トラブルが発生した道路によって、故障部位に差があることでしょうか。道路別の故障の発生状況を詳しく見てみましょう。
一般道路での故障部位発生件数と割合
一般道路で起きた故障の件数と割合は、以下のとおりです。
装置名 | 発生件数 | 割合 |
---|---|---|
電気装置 | 32,588 | 38.3% |
走行装置 | 30,035 | 35.3% |
エンジン本体 | 7,389 | 8.7% |
燃料装置 | 6,133 | 7.2% |
動力伝達装置 | 3,576 | 4.2% |
冷却装置 | 2,509 | 3.0% |
電子制御装置 | 1,053 | 1.2% |
潤滑装置 | 702 | 0.8% |
制動装置 | 673 | 0.8% |
かじ取り装置 | 345 | 0.4% |
合計 | 85,003 | 100.0% |
国土交通省が把握しているだけで、実に年間に8万5,000件以上ものトラブルが路上で起きています。実際の数は、おそらくさらに多いと考えられます。路上でのトラブルは、他人事ではありません。
さて、気になるのはどの部位が故障したのか、という点です。走行装置の故障といっても、タイヤとサスペンションではその後の対応や修理費用にも、大きな差が出ます。
一般道路での故障を、部位別の発生率の観点から見てみましょう。
ランキング | 部位 | 発生率 | 故障状況 |
---|---|---|---|
1 | タイヤ | 35.1% | パンク、バースト/空気圧不足 |
2 | バッテリー | 28.5% | 過放電/破損、劣化/端子部接続不良/液不足 |
3 | オルタネータ | 4.7% | ブラシ不良/レギュレータ不良/ダイオード不良/コイル断線 |
4 | 冷却水 | 1.6% | 不足、水漏れ/汚れ/凍結 |
5 | クラッチ | 1.3% | すべり/オイル漏れ/ワイヤ(リンク)不良/切れ不良 |
6 | トランスミッション | 1.2% | ギヤ操作不能/オイル漏れ・不足/異音 |
7 | 潤滑油 | 0.8% | オイル不良/オイルパンからの漏れ |
8 | スタータ | 0.8% | リレー不良/端子部接続不良/かみ合い不良/イグニッションスイッチ不良 |
9 | ファンベルト | 0.5% | ゆるみ/損傷 |
10 | フューエルポンプ | 0.3% | ポンプリレー不良/バルブ不良/配線不良 |
- | その他 | 25.0% |
タイヤのトラブルが全体の35.1%を占めています。タイヤトラブルは毎年のように全体の3割以上を占めており、一般道路でもっとも起こりやすいトラブルとなっています。
また、2位にはバッテリーのトラブルがランクインしました。バッテリートラブルを詳しく見ると、過放電によるトラブルがバッテリー故障全体の69.8%となっています。
長期使用による劣化や使い過ぎによって、使用できなくなる例が多いようです。
高速道路での故障部位発生件数と割合
続いて、高速道路で起きた故障の件数と割合を見てみましょう。高速走行中のトラブルは、命の危険にも直結します。トラブルが起こりやすい箇所を把握し、日ごろの点検に生かしてください。
装置名 | 発生件数 | 割合 |
---|---|---|
電気装置 | 17 | 4.8% |
走行装置 | 220 | 62.3% |
エンジン本体 | 31 | 8.8% |
燃料装置 | 41 | 11.6% |
動力伝達装置 | 12 | 3.4% |
冷却装置 | 11 | 3.1% |
電子制御装置 | 4 | 1.1% |
潤滑装置 | 14 | 4.0% |
制動装置 | 3 | 0.8% |
かじ取り装置 | 0 | 0.0% |
合計 | 353 | 100.0% |
高速道路上でのトラブルは、走行装置に顕著に発生しています。高速での走行はタイヤに負担をかけるため、一般道路に比べてトラブルにつながりやすいと考えられます。
低速走行では気にならない程度の空気圧不足や溝不足が、思わぬ大きなトラブルにつながるケースも散見されます。
高速道路での車両トラブル発生率を、部位別にまとめたものが以下です。
ランキング | 部位 | 発生率 | 故障状況 |
---|---|---|---|
1 | タイヤ | 61.8% | パンク、バースト/空気圧不足 |
2 | 潤滑油 | 4.0 | オイル不良/オイルパンからの漏れ |
3 | 冷却水 | 2.3 | 不足、水漏れ/汚れ/凍結 |
4 | トランスミッション | 2.0 | ギヤ操作不能/オイル漏れ・不足/異音 |
5 | オイルタネータ | 1.7 | ブラシ不良/レギュレータ不良/ダイオード不良/コイル断線 |
6 | クラッチ | 0.8 | すべり/ワイヤ(リンク)不良 |
7 | クリップ・ハブ・ベアリング | 0.6 | ゆるみ/異音/焼き付き |
ファンベルト | 0.6 | ゆるみ/損傷 | |
9 | フューエルポンプ | 0.6 | ポンプリレー不良/バルブ不良/配線不良 |
10 | バッテリー | 0.6 | 過放電/破損、劣化 |
その他 | 25.0% |
高速道路でのタイヤトラブルは、この調査の前年度(2023年度)は58.0%でした。全体の半数以上が、タイヤにまつわるトラブルとなっています。
タイヤは堅牢に見え、ちょっとやそっとではトラブルを起こさない、と感じられるかもしれません。しかし、実は消耗品です。走行ととともに摩耗し、劣化していきます。日ごろから空気圧や残溝を点検する習慣をつけ、少しでも不安を感じたら、気軽にタイヤ専門店等に相談する癖をつけておくと安心です。
車のトラブルランキング〈JAF集計〉
車のトラブルランキングは、JAFも集計しています。JAFが集計した車のトラブルランキングを見てみましょう。
【2024年度】JAF出動件数と出動理由
2024年度にJAFが出動した件数は、四輪車対応で220万2,672件でした。内訳は、一般道路が214万650件、高速道路が6万2,022件です。
出動理由は、どのようなものだったでしょうか。
※ よくあるロードサービス出動理由|JAF
一般道路と高速道路を合わせ、もっとも多かった出動理由は「バッテリー上がり(42%)」でした。次にタイヤのパンク(20%)、落輪・落込(6%)と続きます。
「ライトを消し忘れ、バッテリーが上がった」など、うっかりがトラブルにつながる事例も多いようです。
【道路別】JAF出動理由と割合
一般道路と高速道路で、トラブルの発生部位に差があるのは、国土交通省の集計と同様です。JAFが集計した結果から、一般道路および高速道路におけるJAF出動理由と割合を比較します。
ランキング | 一般道路 | 高速道路 | ||
---|---|---|---|---|
JAF出動理由 | 件数(割合) | JAF出動理由 | 割合 | |
1 | 過放電バッテリー | 755,785件
(35.31%) |
タイヤのパンク、バースト、エアー圧不足 | 26,219件
(42.27%) |
2 | タイヤのパンク、バースト、エアー圧不足 | 427,833件
(19.99%) |
燃料切れ | 5,843件
(9.42%) |
3 | 劣化/破損バッテリー | 185,855件
(8.68%) |
事故 | 5,032件
(8.11%) |
目立つのは、高速道路でのタイヤトラブルの割合です。一般道路でも、JAF出動理由の約20%を占めていますが、高速道路上のタイヤとラブルは全体の42%と突出しています。
また、高速道路でのタイヤトラブルでは、バースト(破裂)が多いとのこと。バーストは、空気圧が低下しているタイヤでよく起こります。空気圧が足りないまま高速で走行すると、タイヤがたわみ、部分的に過剰な負荷がかかって発熱、そして破裂するという仕組みです。
たわみによってバーストすることを「スタンディングウェーブ現象」といい、バーストの前段階といえるセパレーション(はく離)を起こす場合もあります。
EVのJAF出動理由と割合
JAFの調査では、EV(電気自動車)に絞っての、出動件数もまとめられています。
ランキング | 出動理由 | 件数 | 割合 |
---|---|---|---|
1 | タイヤのパンク、バースト、エアー圧不足 | 2,945件 | 31.3% |
2 | 過放電バッテリー | 1,918件 | 20.4% |
3 | EVの駆動用電池切れ | 1,049件 | 11.1% |
EVでも、タイヤトラブルが多いことが分かります。EVはバッテリーを搭載しているため、ガソリン車に比べて車重が大きくなります。同ランクの車種を比べたときに、百キロ単位で車重が変わるものもあります。
車重が大きくなるほど、タイヤにかかる負荷も増します。EVはガソリン車以上に、タイヤのメンテナンスに気を配ったほうが良いでしょう。
車にトラブルが起きた場合の対処法
車のトラブルは、いつ・どこで起きるかわかりません。万一に備え、トラブルに遭遇した場合の適切な対処法を知っておきましょう。
走行中にトラブルが起きた
走行中に何かしらの異変を感じた場合は、速やかに車を安全な場所に移動させることが、最も重要です。ハザードランプを点灯させ、路肩や近くの駐車場などに停車します。
その後、周囲の安全を確認の上、車外に出てトラブルの発生個所を確かめてください。
自分で特定できない場合や、よくわからない警告灯が点灯している場合などは、自己判断せず、ロードサービス等に相談したほうが無難です。
路上でエンジンがかからなくなった
停車中にエンジンがかからなくなったら、セルモーターが回っているか確認してください。セルモーターはエンジンを始動させるパーツです。キーを回した際に、キュルキュルと音がすれば、セルモーターは回っています。
セルモーターが回っていれば、バッテリーが上がってエンジンがかからなくなっている可能性が高いです。反対に、セルモーターが回る音がしなければ、モーター自体が故障しているかもしれません。
いずれにせよ、自己判断は危険です。ロードサービスに連絡し、対応を仰いでください。
車のトラブルの前兆
車のトラブルには、前兆がある場合も見られます。トラブルの前兆を、3つ解説します。運転中にもこれらの気配に気をつけ、少しでも「おかしい」と感じたら、自動車整備士等に相談を心がけましょう。
異音
「いつもと違う音」「聞き慣れない音」は、トラブルの前兆です。気のせいだろうと流してしまったために、大きなトラブルを回避できなくては困ります。以下の音を聞いたら、一度点検してもらうようにしてください。
- 何かが外れたような音
- 部品同士がこすれる音
- 摩擦音
異臭
基本的に、車から異臭を感じることはありません。つまり、異臭がある事実は、車にトラブルが起きていることを示します。
エンジンをかけたら焦げ臭い、排ガスのようなにおいがするといった場合、速やかに点検を受けましょう。
違和感
「なんとなく、いつもと違う」「ブレーキのかかり具合が、いつもより緩い気がする」、こういった違和感から、トラブルが見つかる場合もあります。車の状態は、普段乗っている人が一番よくわかっています。
違和感もそのままにせず、整備工場で見てもらうようにしましょう。整備士には「なんとなく、こんな感じがします」と、感じたままに伝えて構いません。言葉の端々からトラブルの発生箇所を見極め、点検してくれます。
車のトラブルに備える方法
車のトラブルの中には、日ごろの備えや心がけで回避できるもの、ダメージや出費を最小に抑えられるものがあります。
車のトラブルに備える方法を、3つ解説します。
タイヤトラブルに備える
タイヤトラブルに備える最善の方法は、定期的な点検です。自分自身でのメンテナンスに加え、定期的にプロの点検も受けるようにしましょう。
以下は、自分でできるタイヤ点検のポイントです。給油時や高速道路に乗る前など、タイミングを決めて実施してみてください。
〈セルフ点検のポイント〉
- 空気圧チェック
- 残溝チェック
- 異物チェック
- 偏摩耗チェック
- キズ、ひび割れのチェック
残溝が少なくなっている、空気を入れてもすぐ抜けるといった場合は、速やかに新品への交換をおすすめします。最寄りのタイヤ専門店やカー用品店を通い付けにしておくと、気になった際にいつでも気軽に相談できます。
バッテリートラブルに備える
バッテリーのトラブルには、「過放電」「破損・劣化」の2つがあります。
過放電とは、バッテリー容量を超えて放電してしまう状態です。車は、ライトや室内灯の消し忘れ、半ドアによる室内灯の点灯などでもバッテリーを消費し続けます。過放電が続くとバッテリー上がりにつながるため、降車時にチェックするようにしましょう。
また、夏場はバッテリーが創り出すエネルギーと、エアコン使用による消費エネルギーとがアンバランスになり、バッテリートラブルにつながりやすくなります。
バッテリーの寿命は、一般的に2~3年です。定期的にチェックを受け、必要に応じて交換してください。
トラブル全般に備える
トラブルをサポートしてくれるロードサービスにも、加入しておきましょう。ロードサービスは、さまざまな企業が提供しています。費用と保障内容を比較し、自分に合ったサービスを見極めて加入しておくようにします。
〈ロードサービスの種類〉
- 自動車保険に付帯するロードサービス
- JAF
- 自動車メーカーや販売店が提供するサービス
- ロードサービス専門事業者 など
ロードサービスに加入していないと、サービスを利用できなかったり、高額な実費を請求されたりする場合があります。
まとめ
車の安全走行を足元から支える、タイヤ。日々、大変な重量を支えているだけあって、トラブルも発生しやすいとの結果がわかりました。
とはいえ、タイヤトラブルを放置すると、パンクやバースト、さらに事故にもつながりかねません。もし、タイヤに関して不安や相談があったら、全国に店舗を展開するタイヤ流通センターにご相談ください。
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