【2024年最新】スタッドレスタイヤの選び方!おすすめ性能を地域別に解説、乗り方の注意点も
スタッドレスタイヤとは、冬道専用タイヤのことです。雪だけではなく、氷にも強い構造をしているため、「降雪は多くないが凍結する」地域でも準備が必須!
とはいえ、冬道に不慣れだったり、スタッドレスタイヤを初めて買ったりする場合は、どのタイヤを選ぶべきか迷ってしまうこともあるでしょう。
この記事では、スタッドレスタイヤの選び方を「地域別」「性能別」に解説します。スタッドレスタイヤの特徴や注意点もまとめていますので、最後まで読み、ご自分に合うタイヤを見つけるヒントにしてください。
▼この記事でわかること
・スタッドレスタイヤの特徴
・地域別、スタッドレスタイヤの選び方
・おすすめのスタッドレスタイヤ
・タイヤ流通センターならお得にスタッドレスタイヤ交換ができること
目次
「スタッドレスタイヤの選び方」、その前に!冬道の危険性
「スタッドレスタイヤは雪国のもの」というイメージがあるかもしれませんが、首都圏など都市部でも、冬はスタッドレスタイヤを履いたほうが安心です。積雪はなくても、「凍結」のおそれがあるからです。
凍結するかどうかは、最低気温が「3℃」を下回るかどうかが境目になります。最低気温が3度以下だと路面温度は氷点下になり、凍結する場合があるのです。また「ブラックアイスバーン」といって、路面が濡れただけのように見えて実は凍っている現象が起きることもあります。
橋の上や日陰は、寒風にさらされるため特に凍りやすい場所です。また降雪がわずかでも、圧雪されるとツルツルになり、タイヤが空回りしやすくなります。
降雪地帯やウィンターレジャー時はもちろん、最低気温が3度を下回る日がある地域でもスタッドレスタイヤは用意しておいた方が安心です。
スタッドレスタイヤの特徴
スタッドレスタイヤは、ゴムの質や作り方など、すべてが夏タイヤとは異なります。もちろん、スタッドレスタイヤも乾いた路面を走行する場合を想定して作られていますが、前提シチュエーションが異なるため、夏は夏タイヤを・冬はスタッドレスタイヤを履いた方が安心です。
スタッドレスタイヤのどのような点が夏タイヤとは異なるのか、3つのポイントを解説します。
引用:「スタッドレスタイヤなんでもQ&A」|ブリヂストンタイヤサイト
スタッドレスタイヤは、夏タイヤより柔らかいゴムでできている
スタッドレスタイヤのゴムは、夏タイヤより柔らかめにできています。雪や氷の凹凸を、しなやか、かつ強力にグリップするためです。
ソールの硬い革靴と、柔らかなスニーカーをイメージすると理解しやすいでしょう。スニーカーの方が、地面とより密着してくれるのと同じ原理です。
スタッドレスタイヤは、夏タイヤより深く太く溝が彫られている
スタッドレスタイヤの溝は、夏タイヤより深く、太く彫られています。これも雪道走行に合わせた構造です。深く太い溝で、雪をしっかりつかみます。
スタッドレスタイヤは、サイドの切り込みが夏タイヤよりたくさんある
雪や氷の上で滑るのは、濡れたタイルの上がツルツル滑るのと同じ理屈で、タイヤと路面の間に水の膜ができることが原因です。スリップを防ぐために、タイヤはサイドの切り込みから水を逃がし路面と密着します。
さらに、スタッドレスタイヤの切り込みはエッジの役割も果たしています。より多くの溝の角が雪や氷を引っかき、グリップ力を高めているのです。
地域別・スタッドレスタイヤの選び方
スタッドレスタイヤは、使う地域の特性によって選び方のポイントが変わります。一晩で数十センチの積雪がある地域と、夜間や早朝だけ路面凍結がある地域、また年数回しか雪が降らない地域とでは、スタッドレスタイヤに必要な性能が異なるためです。
ここからは「積雪多め」「積雪より凍結が多め」、また「都市部と降雪地帯の往来」「都市部で年数回の降雪に備える」という4つのパターンに分け、選び方を解説します。
凍結・アイスバーンが多い地域なら「氷上性能」が良いものを
凍結した路面やアイスバーンが多い地域なら、「氷上性能」が良いものを選びましょう。圧雪されたツルツルの道にも、氷上性能が高いタイヤがおすすめです。
凍った路面を走行すると、タイヤの摩擦熱で氷の表面が解け、水となります。溶けた水がタイヤとの間に膜を作ることが、スリップの原因です。
氷上性能の高いスタッドレスタイヤは、次のような工夫で滑りを抑えてくれます。
密着:柔らかい特殊なゴムを使い、密着度を高める
除水:タイヤと路面との間にある水の膜を取り除く
エッジ:溝の角で路面を引っかき、グリップ力を高める
メーカー・商品ごとにさまざまな特徴がありますので、タイヤ専門店などで相談するのがおすすめです。
◎ おすすめタイヤ BLIZZAKシリーズ(ブリヂストン) 引用:ブリヂストン 積雪・凍結の多い地域から圧倒的に支持される信頼のシリーズ。独自技術の「発泡ゴム」が効果的にスリップの原因を除去し、密着性脳を高めます。 |
積雪が多い地域なら「雪上性能」が良いものを
積雪の多い地域や雪がシャーベット状になりやすい地域なら、「雪上性能」もチェックします。雪上ではタイヤの溝に雪が入り込み、グリップ力が下がって空回りやスリップが起きやすくなるためです。
雪上性能の高いスタッドレスタイヤなら、しっかりと雪をつかみ駆動力を維持します。ゴムの素材や、タイヤと路面の設置面の模様(トレッドバターン)の工夫、雪を踏み固め雪の柱を作って前進する「雪柱せん断力」などに注目して選びましょう。
◎ おすすめタイヤ WINTER MAXX 02(ダンロップ) 引用:ダンロップ 雪を効率よくつかめる「MAXXグリップパターン」を採用。雪柱せん断力を高め、雪上やシャーベット上の雪を走る際の性能を向上させています。 |
都市部から積雪地帯に頻繁に行くなら「性能バランス」が良いものを
都市部の乾いた路面も降雪地帯の冬道も、両方よく走るという場合は、性能面でバランスがとれたタイヤを選ぶのがおすすめです。基本的な氷雪機能は確保しつつ、「ドライ性能」「ウェット性能(雨天走行用)」が高いものを選びましょう。
スタッドレスタイヤは構造上、雨天時の排水機能が夏タイヤより劣ります。雪や氷のない雨天時でも安心して走れるかどうかは要チェックです。高速道路を走る機会が多いなら、高速走行時でも安定した走りが実現する「高速安定性能」が高いタイヤもおすすめです。
◎ おすすめタイヤ X-ICE SNOW(ミシュラン) 引用:ミシュラン 性能持続性やロングライフ性能に優れたタイヤ。雪が多い日本の気候に合わせて開発されています。あらゆる車種に適合し、使い勝手が良いのも魅力です。 |
都市部で年数回の積雪に備えるなら「コスパ」が良いものを
念のために積雪に備えてはいるものの、実際に降雪・凍結するのはシーズンに数回程度、という場合は、「できるだけリーズナブルなタイヤ」など、コスパの良さで選んでも良いでしょう。
スタッドレスタイヤは路面との密着力を確保するため、夏タイヤより柔らかなゴムでできています。ゴムは柔らかいほど劣化しやすいため、スタッドレスタイヤをできるだけ長持ちさせられるよう「ロングライフ性能」の高いタイヤを選ぶのもおすす めです。
◎ おすすめタイヤ OBSERVE GIZ2(トーヨータイヤ) 引用:TOYO TIRES 「鬼クルミ」を配合し、高いグリップ力を発揮。また非対称の溝パターンが氷をしっかりつかみます。国内タイヤメーカーの中でもリーズナブルです。 |
まだある!押さえておきたいスタッドレスタイヤの選び方
購入するモデルを決める前に、あと3つだけ、選び方のポイントを知っておいてください。
- 燃料高騰に備えて「低燃費性能」も確認する
- ホイール付きの方がコスパが高くなる
- タイヤ選びは車種に合わせる
以上の3点について解説します。
燃料高騰に備えて「低燃費性能」もチェック
スタッドレスタイヤは、夏タイヤよりも広い面積で地面と接します。接地面積と摩擦力の大きさは比例するため、スタッドレスタイヤは燃費が悪くなりがちです。ガソリン代高騰の昨今、燃費は少しでも良いに越したことはありません。
そこでスタッドレスタイヤの「低燃費性能」に注目です。近年は技術革新によって、駆動力や制動力はそのままに、低燃費を実現したモデルも増えています。転がり抵抗を減らすことで省エネ走行を可能にしたモデル、特に都市部の乾いた路面を走る機会が多い方は、ぜひチェックしてみてください。
ホイールはついていた方が便利
スタッドレスタイヤを購入する際は、「ホイールセット」を選ぶのがおすすめです。ホイールセットだと初期投資はかさみますが、後々のランニングコストが抑えられます。
タイヤを単体で購入すると、年に2回、タイヤ交換の度に「タイヤの組み換え(ホイールからタイヤを外し、別のタイヤに付け替えること)」が発生します。タイヤの組み換えは1本あたり1,000~1,500円ほどが相場ですから、1回に4,000~6,000円。年2回だと8,000~12,000円がかかる計算です。さらに交換にかかる時間も長くなります。
ホイール付きのタイヤであれば、自力でのタイヤ交換も可能。グンとコストが抑えられます。
またホイールセットは、タイヤ単品で購入するよりも割安になることも多い点も要チェックです。
車種に合ったタイヤを選ぶことも大事
スタッドレスタイヤは車種に合わせて選ぶと、より快適で安全に走れます。
たとえば、近年人気のSUVには、SUV用に開発されたスタッドレスタイヤがおすすめ。SUV専用タイヤは、車重が重く、重心が高いSUVでも安定して氷上を走れる工夫が施されているためです。
一般的なスタッドレスタイヤを装着してはいけないということではないので、タイヤ専門店などで車種や乗るシーンを伝え、最適なタイヤを紹介してもらうと良いでしょう。
スタッドレスタイヤの注意点
雪上や氷上といった特殊環境を走るスタッドレスタイヤを使う際は、安全走行のために注意すべきポイントが3つあります。
「慣らし走行」「夏タイヤとの違い」「スリップサイン」という3点を解説します。
新品装着時は「慣らし走行」をする
「慣らし走行」とは、新調したタイヤが本来の性能を発揮できるよう、ゆっくりと馴染ませる過程を指します。スタッドレスタイヤでは「時速60km以下で200km以上の走行」が目安です。
慣らし走行は新品のタイヤ表面にある薄い膜を削り、性能を発揮できる準備を整えるほか、ユーザーがタイヤ交換前後の性能差に慣れるという目的もあります。
新品のスタッドレスタイヤには慣らし走行が必要ですから、タイヤ交換してすぐに大雪・凍結になるのは好ましくありません。晩秋にはタイヤ交換を済ませ、本格的な冬が来る前に慣らし走行を終えておきましょう。
夏タイヤとの違いを知って走行する
スタッドレスタイヤは「ゴムの柔らかさ」「溝の深さ・数」などの点で、夏タイヤとは構造的に異なると先に解説しました。この構造の違いは、走行感覚にも影響します。
乾いた路面の場合、制動距離(ブレーキをかけてから実際に停止するまでの距離)はスタッドレスタイヤの方が夏タイヤより長くなります。”いつもの感覚”でブレーキをかけても間に合わない!という危険があるということです。
また雨天時もスタッドレスタイヤの方が滑りやすくなります。タイヤの排水性能が、スタッドレスタイヤの方が悪いためです。
スタッドレスタイヤに交換したばかりのころは特に、夏タイヤの感覚で運転しがちです。しかし「走行感覚も性能も違う」ことを頭に置き、注意して運転するようにしましょう。
買い替えの検討は「プラットホーム」で判断する
タイヤのすり減り具合を示すマークに「スリップサイン」があります。溝の残りが1.6mm以下になると出現し、スリップサインが出たタイヤを履いて走行することは禁止されています。
さらにスタッドレスタイヤには、「プラットホーム」と呼ばれる50%の摩耗を知らせるサインもあります。スタッドレスタイヤは50%以上すり減ると、十分な氷雪路性能が発揮できません。また冬用のタイヤとしても使えなくなります。
タイヤの摩耗具合は、安全走行に直結する重要指標です。スリップサインとプラットホームをチェックし、すり減ってきたらタイヤ交換を検討するようにしましょう。
まとめ
スタッドレスタイヤは、使うシチュエーションに合った性能のものを選ぶことが大切です。降雪が少ない地域でも、最低気温によっては路面が凍結する恐れがあるため、冬になる前に履き替えておくと安心でしょう。
雪道では、やってはいけないと言われている3つの「急」があります。すなわち「急発進」「急ブレーキ」「急ハンドル」です。この3つを避けた余裕ある運転を心がけましょう。ただしスタッドレスタイヤは構造的に夏タイヤとは異なるため、乾いた路面を走る際も、いつもに増して注意する必要があります。
スタッドレスタイヤの選び方に迷ったら、タイヤ専門店にご相談ください。タイヤ流通センターなら国内外さまざまなメーカーから、お車や乗り方、地域、予算にあったタイヤをご案内します。
タイヤ流通センターは、同じメーカーでもタイヤの種類ごとに価格が異なるという従来のわかりにくさを撤廃しました。同一メーカーなら、どのタイヤを選んでも均一価格でご提供します。
まずはWebから、タイヤ流通センターの「かんたん30秒見積り」をお試しください。
車種とタイヤサイズを選択するだけで、その場ですぐにお見積りをお出しします。店頭にないタイヤも、専門店ならではの流通ルートでお手配します。
現在、一級自動車整備士(整備士歴10年)として整備工場に勤務。専門学校卒業後、輸入車ディーラーに整備士として勤務、6年間で3社を経験。その他、「国家二級ガソリン自動車整備士」「国家二級ディーゼル自動車整備士」「アーク溶接」「低圧電気取扱者」の資格を保有。