スタッドレスタイヤの寿命はどこで見る?履き続けるリスクと長持ちさせるコツを解説

 

「スタッドレスタイヤの寿命は、3年~5年」が通説です。ただ、実際の寿命は、走行距離や路面のコンディション、走り方の癖などによって変わります。「5年で交換」と機械的に考えるのではなく、タイヤの状況に合わせた判断が重要です。

今回はスタッドレスタイヤに注目し、寿命の見極めポイントや長持ちさせるコツを解説します。

▼この記事を読んでわかること
・タイヤの「寿命」について
・スタッドレスタイヤの寿命を判断する「製造年数」の見方
・寿命を迎えたスタッドレスタイヤを履き続けるリスク
・スタッドレスタイヤを長持ちさせるコツ
・タイヤ流通センターならお得にスタッドレスタイヤの交換ができること

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タイヤの「寿命」とは

タイヤの寿命とは、それ以上走れない・走行に向かないと判断される状態を指します。タイヤの寿命を迎えるポイントは、「残溝」「硬化・劣化」「傷」の3つです。

残溝

タイヤが走行できる溝の程度は、法令で定められています。まず、溝が1.6mm以上残っていなければ、公道を走行できません。

ただ、残溝1.6mmまで走行できるのは、夏タイヤの場合です。滑りやすい路面を走るスタッドレスタイヤには、さらに深い溝が必要とされます。

スタッドレスタイヤに必要な残溝は?

スタッドレスタイヤは、新品の状態から50%摩耗すると「スタッドレスタイヤ(冬用)としては使えない」と判断されます。新品のタイヤの溝は8mm~10mm程度。ここから50%の摩耗ですから、残溝4mm~5mmになった時点で、冬の路面は走行できないことになります。

スタッドレスタイヤの摩耗をチェックするポイント

スタッドレスタイヤの残溝の程度は、プラットホームと呼ばれるマークで判断できます。

プラットホームは、タイヤの溝のすき間に作られた突起で、周辺のゴムの摩耗に伴って、徐々に頭部を露出させます。プラットホームが完全に露出すると、「新品から50%摩耗した」状態ということです。

プラットホームはスタッドレスタイヤ1本につき、4か所設置されています。タイヤのサイドウォールにある矢印(↑)をトレッド面にたどっていくと、見つかります。

【豆知識】「スリップサイン」も覚えておこう

スタッドレスタイヤには、プラットホームのほかに「スリップサイン」と呼ばれる同様の突起もつくられています。スリップサインは、残溝が1.6mmになると露出する突起です。タイヤそのものの寿命を示すサインと考えてください。

スタッドレスタイヤが新品から50%摩耗してプラットホームが露出し、冬用タイヤとしては使えなくなっても、ドライ路面の走行には使用できます。スタッドレスタイヤを履き続けて、スリップサインが出ると、いよいよタイヤ自体が寿命を迎え、交換しなければならないというわけです。

〈注意〉夏のスタッドレスタイヤ使用は、推奨されていない!

スタッドレスタイヤは、あくまで積雪・凍結路面の走行を目的に設計されています。ゴムの素材(コンパウンド)やトレッド(溝)の入り方も、雪や氷をグリップしやすいように考えられています。

全体的に柔らかく、路面に吸着しやすい性質を持っており、夏の熱くなった路面の走行には向いていません。摩耗が速くなったり、走行性能が落ちたり、さらに熱されてパンクやバーストを起こしやすくする危険もあります。

プラットホームが露出したタイヤを、スリップサインが出るまで使うことは違法ではありません。ただ、危険性があり、メーカーやタイヤ専門店は推奨していない点を押さえておきましょう。

硬化・劣化

タイヤの寿命を判断するポイントの2つ目は、硬化・劣化です。

タイヤのおもな素材であるゴムは、紫外線やオゾン、風雨などの影響を受けて性質が変化します。また、時間の経過とともに経年劣化も避けられません。

タイヤは本来、路面の凹凸をグリップできるよう適度な柔軟性を持っています。しかし、変質し硬化・劣化したタイヤは、柔軟性を失い、グリップ力が低下します。こうなると、タイヤが寿命を迎えている、と判断せざるをえません。

硬化や劣化は、スタッドレスタイヤでとくに注意したいポイントです。凹凸が多く、スリップしやすい積雪・凍結路面の走行には、低温下でも硬くなりにくいゴムが必須。しかし、硬化や劣化が進むと、トレッド面が路面を十分にグリップできず、スリップにつながるおそれがあります。

タイヤの硬化や劣化は、一般の方は判断しにくいポイントでしょう。タイヤ専門店や整備工場で、定期的に見てもらうことをおすすめします。

傷(クラック)

タイヤ安全ニュースNo.72|一般社団法人日本自動車タイヤ教会

硬化や劣化が進んだタイヤや、硬いものにぶつけたタイヤなどには、傷(クラック)がついている可能性があります。傷を放置すると内部の構造にまで影響し、パンク・バーストにつながりかねません。

スタッドレスタイヤは雪に覆われている場面も多いため、目視で傷を見つけにくいともいえます。また、スタッドレスタイヤを履いている期間は外も寒く、タイヤをじっくり点検している余裕がない場合も多いでしょう。

傷は、いつの間にか進行するものです。時折、タイヤ専門店や整備工場に車を持ち込み、プロの目でチェックしてもらうようにしましょう。

スタッドレスタイヤの寿命を判断する「製造年数」の見方

問題がなさそうなスタッドレスタイヤも、製造から4~5年経過していたら、交換を検討したほうが良いでしょう。知らずのうちに劣化が進んでいたり、柔軟性が失われていたりするおそれがあります。

タイヤの寿命は、サイドウォールで確認できます。

サイドウィールを見て、英数字の部分を探してください。英数字のうち、下4桁が製造の時期を示します。

〈POINT〉製造時期の見方

数字の下2桁は製造された年、最初の2桁が製造された週

数字下4桁が「0824」だった場合、2024年の第8週に製造されたとわかります。

製造時期の刻印は、通常タイヤの片面のみにあります。タイヤを見ても英数字の刻印を見つけられない場合、反対側を見てみてください。

寿命を迎えたスタッドレスタイヤを履き続けるリスク

寿命を迎えたスタッドレスタイヤも、一見しただけでは「まだ使えそう」と感じるものです。では、寿命を迎えた後もスタッドレスタイヤを使い続けると、どのようなリスクがあるのでしょうか。3つの観点から解説します。

スリップリスクが高まる

寿命を迎えたスタッドレスタイヤは、残溝も十分とはいえず、また硬化・劣化によりグリップ力が落ちています。

本来の性能を発揮できず、凍結した路面や雪の上でスリップするおそれが高まります。

ハイドロプレーニング現象に遭うリスクが高まる

性能が低下したスタッドレスタイヤを履き続けると、雨天時にハイドロプレーニング現象に遭うリスクが高まります。ハイドロプレーニング現象とは、タイヤと路面の間に入った水分を適切に排出できず、タイヤが水に浮いた状態になることです。

高速走行中に発生のリスクが高まるため、寿命を迎えたスタッドレスタイヤでの高速道路使用は控えてください。

バーストの危険性がある

スタッドレスタイヤのゴムは、グリップ力を高めるために柔らかい素材が使われています。寿命を迎えたスタッドレスタイヤを、翌年の夏も履き続けるとどうなるでしょうか。熱い路面によってタイヤのゴムに過剰な負荷がかかり、バーストするおそれがあります。

スタッドレスタイヤを長持ちさせるコツ

タイヤの価格高騰が続く昨今、少しでも長持ちさせたいと思うのは、全ドライバー共通の願いかもしれません。スタッドレスタイヤを長持ちさせるコツを4つ、紹介します。

「急」がつく運転をしない

「急発進」「急加速」「急ハンドル」「急ブレーキ」と、“急”がつく運転は危険だと、教習所でも教えられます。実はこれらの“急”がつく運転は、タイヤにも優しくありません。どれもタイヤに負荷をかけ、トレッド面の摩耗を進めます。溝の減り具合も早まり、タイヤの寿命を縮める要因となってしまいます。

タイヤを長持ちさせたい場合は、“急”がつく運転は避けるようにしましょう。スタッドレスタイヤを履く冬の季節は、安全性の面からも“急”がつく運転をしないことが大切です。

空気圧を適正に保つ

タイヤの空気は、自然に抜けていきます。空気圧が本来の値より低いと、タイヤに荷重がかかり過ぎ、トレッド面の接地面積が増えます。必要以上の面積と圧力で路面と接することになるため、摩耗がどんどん進み、寿命を縮めてしまうのです。

タイヤの空気圧は定期的にチェックし、適正な空気圧を保つよう心がけましょう。

タイヤの空気圧点検は、ガソリンスタンド等に設置されている空気圧チェッカーを使うと便利です。また、携行できるタイプの製品も販売されています。

保管環境に配慮する

シーズンオフのスタッドレスタイヤを保管する環境にも、気をつけましょう。タイヤは直射日光や紫外線、オゾン、湿気などを嫌います。日差しが当たる場所に放置すると、それだけで劣化が進んでしまいます。

タイヤは直射日光が当たらず、風通しが良い場所に保管してください。

もし、適切な場所がない場合は、専用のタイヤカバーの使用をおすすめします。タイヤを紫外線や風雨から守り、劣化を防いでくれるでしょう。

タイヤをローテーションする

タイヤのローテーションとは、タイヤを装着する位置を前後・左右で入れ替える作業です。荷重のかかり方や運転の癖などによる偏摩耗(部分的に摩耗が進んだ状態)を防ぎ、均等に摩耗させられるようになります。

タイヤのローテーションは、5,000km走行ごとが望ましいとされますが、最適なタイミングはタイヤによって異なります。タイヤ専門店や整備工場で相談してみてください。

スタッドレスタイヤのご相談ならタイヤ流通センターへ

スタッドレスタイヤは、もったいない出費と感じるかもしれません。降雪や凍結が少なく、「念のため」に履く地域の方は、なおさらでしょう。ただ、雪が降らなくても、もっと言えば保管しておくだけでも、スタッドレスタイヤは劣化します。寿命を適切に判断し、交換していかなければなりません。

「少しでもお得にスタッドレスタイヤを買いたい」という方は、日本最大級のタイヤ専門店・タイヤ流通センターにご相談ください。専門店ならではの豊富なタイヤラインナップと、わかりやすい「3プラン定額制」の料金体系で、お得なタイヤ選びをサポートします。

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まとめ

スタッドレスタイヤの寿命は、残溝や硬化度、製造からの経過年数などで判断します。新品から50%摩耗すると現れるプラットホームが見えてきたら、寿命が近づいているサインです。速やかに新品への交換を検討しましょう。

また、日ごろの走り方や保管方法で、寿命は長くも短くもなります。タイヤ交換のご相談、またタイヤを長持ちさせる秘訣などは、タイヤのことなら何でも知っている専門店・タイヤ流通センターにお気軽にお問い合わせください。

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監修者:こげパン
現在、一級自動車整備士(整備士歴10年)として整備工場に勤務。専門学校卒業後、輸入車ディーラーに整備士として勤務、6年間で3社を経験。その他、「国家二級ガソリン自動車整備士」「国家二級ディーゼル自動車整備士」「アーク溶接」「低圧電気取扱者」の資格を保有。

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