タイヤ交換は自分でできる?必要な工具やリスクについて徹底解説

車に乗る限り、定期的に直面する「タイヤ交換」。実は、ショップや整備工場に毎回依頼しなくても、自分で交換できます。タイヤを交換できるようになっておけば、パンクやバーストの緊急時にも、落ち着いて対応できるようになります。

今回は、タイヤを自分で安全・確実に交換するために、用意すべき道具や手順を解説します。タイヤ交換のコツや注意点もまとめました。

はじめてタイヤ交換を手掛ける人もできるよう、わかりやすく解説しています。タイヤ交換を自分でやってみたい人は、ぜひ最後までチェックしてみてください。

【POINT】タイヤ交換は2種類ある
タイヤ交換には、ホイール付きのタイヤ同士を交換する作業と、タイヤへのホイール脱着が必要な作業とがあります。ホイールの脱着は大掛かりな専門の機械が必要で、一般の方の手には負えません。ホイール脱着を伴うタイヤ交換は、タイヤ専門店や整備工場に依頼してください。本記事では、ホイール付きのタイヤを外し、やはりホイールが付いているタイヤを取り付ける交換作業について解説します。

▼この記事を読んでわかること
・タイヤ交換を自分で行うメリット
・タイヤ交換を自分で行う際、起きるトラブル
・タイヤ交換に必要な道具、手順
・タイヤ交換をプロに頼むメリット

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自分でタイヤを交換するメリット

タイヤ交換も、自分でできると何かとメリットがあります。タイヤ交換をできるようにしておくと手に入るメリットを、3つ解説します。

タイヤ交換の工賃がかからない

まず、コスト面でメリットがあります。

タイヤ交換を自動車整備工場やショップに依頼すると、交換工賃がかかります。タイヤ交換の工賃は、ホイール付きタイヤの履き替えで1本1,500円~2,000円が相場。4本分で6,000円~8,000円になります。

自分で用意したタイヤを持ち込んで交換してもらう場合は、工賃が上乗せになる場合もあります。

ガソリン高騰が続き、何かと車両の維持費がかさむ昨今、交換工賃を節約できる利点は見逃せません。

好きなタイミングでタイヤ交換できる

多くの整備工場やショップは、予約制・予約優先でタイヤ交換を受け付けます。交換したいと思ったら、まず予定を組み、予約しなければなりません。

タイヤ交換のためだけにスケジュールを調整するのが難しい、と感じる人も多いのではないでしょうか。

自分でタイヤ交換ができれば、都合の良いタイミングでサッと交換できます。「今日は天気がいいから」「週末は雪になりそうだから」と、思い立ったときに交換できる安心感が得られるでしょう。

万一のタイヤ交換に対応できる

スペアタイヤが積んである車種なら、パンクやバースト時に自分で速やかにタイヤ交換ができます。ロードサービスの到着を待たずに交換でき、修理にも速やかに持ち込めます。

自分でタイヤを交換する際に起きやすいトラブル

自力でのタイヤ交換はメリットも多い反面、トラブルが起きるおそれもあります。自分でタイヤを交換する際に、よくあるトラブルを3つ解説します。

ジャッキが倒れる・外れる

タイヤ交換は、ジャッキと呼ばれる専用の道具を使って、車体を持ち上げながら行います。ジャッキは、たった1か所で車重を支えます。

取り付け位置が適切でなかったり、地面に傾斜があったりすると、ジャッキが倒れる・外れるなどのトラブルに巻き込まれます。

ちなみに、タイヤ交換を自分で行う際は、強固なジャッキを用意しましょう。車両に備え付けのジャッキは、あくまで非常時のためのものであり、継続的なタイヤ交換にはおすすめできません。

次の章で、タイヤ交換に必要な道具を解説しています。どのようなジャッキが必要か、チェックしてみてください。

ホイールナットが損傷する

タイヤを車体に固定する部品を、ホイールナットと呼びます。ホイールナットはしっかりと締められているため、簡単には緩みません。

ただ、ここで「なかなか緩まない」と力任せに緩めようとすると、ホイールナットを損傷するおそれがあります。最悪の場合、タイヤを車体に取り付ける軸であるハブボルトが折れてしまうことも考えられます。

ロックナットを紛失した

タイヤ・ホイールの盗難防止を目的とした「ロックナット」と呼ばれるパーツがあります。ロックナットが使われたタイヤは、通常のレンチでは取り外せません。専用のアダプターが必要ですが、アダプターの紛失もよくあるトラブルです。

アダプターがない場合、取り寄せが必要になります。もし、ロックナットのアダプターがない場合は、自動車整備工場やタイヤ専門店などに相談しましょう。

タイヤ交換に必要な道具

タイヤ交換を安全かつ、円滑に進めるために、用意が必要な道具を紹介します。紹介する道具はタイヤ専門店やホームセンター、カー用品店、ネット通販などで手に入ります。

ジャッキ

ジャッキは車体を持ち上げ、タイヤと地面のあいだに隙間をつくるための道具です。手動で回して上げ下げする「パンタグラフジャッキ」と、レバーで上げ下げできる「油圧ジャッキ」があります。

パンタグラフジャッキ

パンタグレフジャッキは、コンパクトで手軽に使えるジャッキです。車体の下にかませ、ハンドルを手で回して上げ下げします。

ただ、重い車両を持ち上げるためには、かなりの力が必要です。接地面積が小さいため、横からの力に弱く倒れやすい点にも、注意が必要です。

油圧ジャッキ(フロアジャッキ)

油圧ジャッキ(フロアジャッキ)は、レバーを上げ下げするだけで簡単にジャッキアップできる道具です。少ない力で作業できるため、タイヤ交換の道具に不慣れな人も、使いやすいでしょう。

継続的にタイヤ交換する予定の人は、1つ用意しておいて損はありません。

レンチ(クロスレンチ)

タイヤを車体に固定している、ホイールナットを緩めるための道具です。車に備え付けのレンチはL字型が多めですが、タイヤ交換には十字型のクロスレンチがおすすめ。力を入れやすく、作業効率がアップします。

クロスレンチは、十字それぞれの先端が異なるナットサイズに対応できる点もメリットです。あらゆるサイズのホイールナットを緩められます。

ただし、クロスレンチでホイールナットを締める作業はできません。ホイールナットの締め付けには、次に紹介するトルクレンチが必要です。

トルクレンチ

ホイールナットを締める力は、車両によって定められています。適正な力でホイールナットを締めるための道具が、トルクレンチです。

トルクレンチは、締め付ける力を測りながら締めていき、力がかかり過ぎるとそれ以上は、まわらなくなります。

ホイールナットを締めるだけなら、通常のレンチでも可能です。ただし、ホイールナットは緩過ぎても、締め過ぎてもいけないのが、難しいところ。微妙な力加減の調整をしてくれるトルクレンチは、タイヤ交換に欠かせない道具です。

なお、車両ごとの適正トルクは、取扱説明書に書かれています。不明な場合はディーラーやタイヤ専門店などに相談しましょう。

輪止め(わどめ)

輪止めは、タイヤと地面とのあいだにかませ、車体を動かないようにするための道具です。宅配便トラックが配送のため、一時的に停車しているときに、タイヤの下に挟まれています。輪止めをしておくと、不意に車両が動き出す危険を回避できます。

なくてもタイヤ交換はできますが、安全のために用意しておくと良いでしょう。

センターキャップレンチ(またはマイナスドライバー)

タイヤに取り付けられたホイールキャップを外す道具です。センターキャップレンチは、ホイールキャップを外す専用の道具。マイナスドライバーでも代用できます。

軍手

作業中のケガや事故を防ぐため、軍手は必須です。滑り止めの付いた軍手や、滑りにくい素材を使った軍手も便利です。

自分でタイヤを交換する手順

さあ、いよいよタイヤ交換を始めましょう。タイヤを交換する手順は、全部で9ステップです。1つずつ、詳しく解説します。

(1) タイヤの状態を確認する

新しく取り付けるタイヤの状態を確認します。ひび割れがないか、溝が十分に残っているかなど、目視点検してください。

タイヤに異常が確認されたら、タイヤ交換は中止です。タイヤ専門店などに持ち込み、状態をチェックしてもらいましょう。

(2) 交換場所の確保と安全確認

安全に交換作業ができる場所を確保し、周囲を確認します。

タイヤ交換では、車体をジャッキで持ち上げ、タイヤを入れ替えます。車両が動いたり、倒れたりしないよう「固く、平坦な地面」を選んでください。傾斜のないコンクリートの上が最適。アスファルトの場合は、凸凹がないか確認します。

また、車の周囲に、一定以上の余白も確保してください。タイヤを転がして移動させる、外したタイヤを一時的に置くスペースが必要なためです。

車はエンジンを切り、パーキングブレーキを入れます。タイヤ交換に必要な道具を出し、使いやすい場所に揃えておきましょう。

(3) タイヤを輪止めし、ホイールナットを緩める

車を安定した場所に停車させたら、輪止めをはめ固定します。輪止めは、交換するタイヤの対角線上にのタイヤに止めてください。

次に、ホイールナットを少し緩めます。ポイントは、ジャッキアップの前に緩めておくこと。タイヤを持ち上げてから緩めようとすると、ホイールナットに力が十分に加わらないためです。

最初に少しだけ緩めておくと、その後の作業が格段に楽になります。

ホイールナットを完全に緩めると、タイヤが外れます。ホイールナットを手で回せる状態を目安に、少しだけ緩めましょう。

(4) 車体をジャッキで持ち上げる

ジャッキを使い、車体を持ち上げます。タイヤが地面から少し離れるまで、ジャッキアップしましょう。あまり持ち上げ過ぎると、タイヤの取り外しや装着が重労働になります。

ジャッキは、「ジャッキアップポイント」という位置を探し、取り付けます。ジャッキアップポイントは車種によって決まっているため、取り扱い説明書を見て確認してください。

多くの車種は、フロントタイヤの真後ろ・リヤタイヤの直前にあります。

車体の下を、サイドから覗き込んでみてください。タイヤ付近に、切り込みが入った部分が見つかるはずです。ここが、ジャッキアップポイントです。ジャッキアップポイント以外の位置にジャッキを取り付けて車体を持ち上げると、車体が破損するおそれがあります。

不安な場合は、取扱説明書と車体を何度も見比べ、確実に見つけからジャッキアップしましょう

(5) ホイールナットをすべて外す

タイヤの下に隙間ができたら、緩めておいたホイールナットをすべて、取り外します。外したホイールナットは、新しいタイヤの取り付けで使います。紛失しないよう、一か所にまとめる・袋に入れるなどして保管します。

(6) タイヤを取り外し、新しいタイヤを取り付ける

ホイールナットを外したら、タイヤを車体から外します。ホイール付きのタイヤはとても重量があるため、注意しながら安全な場所に置いてください。

次に、新しいタイヤを車体に取り付けます。ハブボルトとホイールの穴をよく見て、しっかりはめこみます。

(7) ホイールナットを取り付け、仮締めする

ホイールナットを取り付け、手で回らない程度の強さを目安に仮締めします。タイヤがぐらつかないよう、両足で押さえながらホイールナットを締めてください。

ホイールナットは、次の工程でしっかりと締めます。この段階では、タイヤが固定され、ホイールナットが外れない程度に締められていればOKです。

(8) ジャッキを下ろし、ホイールナットを確実に締める

仮締めが終わったら、ジャッキを下ろします。タイヤが接地し車重によって固定されたら、トルクレンチを使って本格的に締めましょう。

本締めも、対角線を結ぶように締めていきます。ナットが5本のホイールは星形を描くように、4本のホイールは縦・横の順に締めてください。

(9) 走行し、増し締めする

4本のタイヤ交換が完了したら、試し走行して異常がないか、チェックしましょう。タイヤが正しく取り付けられていないと、ハンドル操作に違和感があったり、異音がしたりします。

また、走行時の振動によって、ホイールナットがわずかに緩む場合もあります。タイヤを交換して100kmほど走行したら、あらためて締まり具合を確認しておきましょう。

自分でタイヤを交換する際の注意点

タイヤ交換を自分で行う際に、注意したいポイントを3つ解説します。

タイヤの回転方向に合わせて取り付ける

タイヤによっては、回転方向が決まっているものがあります。回転方向が決まっているタイヤは、進行方向に向けて正しく取り付けなければなりません。

タイヤの側面(サイドウォール)に、矢印や「ROTATION」の刻印があるタイヤは、回転方向指示があります。矢印の向きに回転するよう、取り付けてください。

また、タイヤの外側・内側が決まっている種類もあります。「OUTSIDE(外側)」「INSIDE(内側)」の刻印があるタイヤは、刻印の指示に従って取り付けます。

タイヤをローテーションする

タイヤは、走行の癖や荷重の偏りによって、部分的に摩耗が進む「偏摩耗」を起こす場合があります。偏摩耗はタイヤの寿命を短くし、またバランスの良い走行も阻害します。

タイヤ交換の際は、タイヤの取付位置を入れ替える「ローテーション」を意識してみてください。

タイヤローテーションの仕方は、車種によって決まっています。

車種 ローテーションの仕方
FF車 ・フロントタイヤをリヤへ
・リヤタイヤは、左右入れ替えてフロントへ
FR車4WD ・リヤタイヤをフロントへ
・フロントタイヤは、左右入れ替えてリヤへ
回転指示のあるタイヤ ・左右それぞれでフロント
・リヤを入れ替え

タイヤを外したときにどの位置に付いていたタイヤか、目印を付けておくと、次のローテーションがしやすくなります。

適正な力でホイールナットを締める

ホイールナットは、適正な力で締め付けることが、とても大切です。ホイールナットを締め付ける力が弱いとタイヤが外れやすくなり、反対に力が強過ぎるとホイールナットが損傷します。

レンチに全体重をかけ、力任せにホイールナットを締める様子を収めた動画を見たことがある人もいるかもしれません。しかし、体重をかけての締め付けは、やってはいけないやり方です。

トルクレンチを用意し、車種に合った力で締めてこそ、安全走行が叶います。トルクレンチは5,000円ほどで手に入ります。継続的にタイヤ交換を自分で行う人は、ぜひ用意しておきましょう。

まとめ|安全・確実なタイヤ交換はプロへ依頼が安心

タイヤ交換は、道具を用意して手順通りに進めれば、自分でも完遂できます。ただ、かなりの労力と時間がかかります。ジャッキが倒れて車体の下敷きになったり、ホイールナットが破損して作業が進まなくなったりといった、危険やトラブルも想定されます。

タイヤは、文字通り「足元から」車の安全を支えるパーツです。取り付けに少しでも不安があったら、プロに依頼したほうが安心です。

タイヤ流通センターは、日本最大級のタイヤ専門店です。お得なタイヤやコスパの良いタイヤを数多く取り揃えており、店舗にはタイヤに関して何でも知っているスタッフや整備士が常駐しています。

タイヤ交換の見積もりや予約も、Webで簡単に進められます。まずはタイヤ流通センターのタイヤラインナップや見積もりをチェックしてみてはいかがでしょうか。

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