中古タイヤは本当にお得?安全性への懸念やメリット・デメリットを解説

車の整備費の中でも、費用がかかるのが車検、そして「タイヤ交換」です。寿命が来たタイヤは、新しいものと交換しなければなりません。タイヤの費用を節約したい人からは、格安で買える中古タイヤも人気を集めています。

一方で、「中古タイヤの価格は魅力だけれど、本当に大丈夫か?」と心配になる方も多いのではないでしょうか。タイヤは車の中で唯一路面と接し、安全走行を支える重要パーツです。価格も気になりますが、何より安全性で選びましょう。

この記事では、中古タイヤのメリットとデメリットを解説しながら、中古タイヤを選ぶ際の注意点を解説します。これからタイヤ交換を控えている方、中古タイヤの購入を検討している方はぜひ最後まで読み、タイヤ購入のヒントにしてください。

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中古タイヤとは


中古タイヤとは、文字通り「新品ではなく、走行歴のあるタイヤ」です。「タイヤは絶対新品!」という人もいれば、さまざまな理由で中古タイヤを選ぶユーザーも多く、中古タイヤ市場は人気となっています。

はじめに中古タイヤについて、概要を解説します。

中古タイヤ市場が活況の理由

タイヤは消耗品のため、あまりに状態が悪いと売れません。それにもかかわらず中古タイヤ市場が活況なのは、新品よりも安く買えるからです。買い手がいるから売り手もいる、というわけです。

タイヤや車にあまり興味がない人は、「まだ乗れるタイヤなら、自分で使えばいいのに」と思うかもしれません。しかし、「新車のタイヤをインチアップしたから、標準装備のタイヤが不要になった」「低扁平率タイヤに履き替えたから、前のタイヤが不要になった」といった理由で、まだ乗れるタイヤを手放す人もいるのです。

大型車では「リトレッドタイヤ」も一般的

リトレッドタイヤとは、寿命になったタイヤの表面を削り、溝がある新しいゴムを貼り付けて再利用する方法です。

消耗品コストを抑えたい運送業界などでは、大型トラックにリトレッドタイヤをよく使います。リトレッドタイヤは、新品の半額程度でタイヤ交換ができるからです。

中古タイヤが買える場所

中古タイヤは、主に次の場所で購入できます。

  • タイヤ専門店
  • カー用品店
  • 通販
  • 個人間の売買(ヤフオク、メルカリなど)

通販や個人間の売買は、タイヤ現物を見た上での取引ができないため、トラブルになりがちです。少しでも不安があれば購入を見送るようにしましょう。

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中古タイヤのメリット


中古タイヤのメリットは次の2点です。

  • 新品より価格が安い
  • 慣らし運転が必要ない

同じグレードの新品と比べると、価格が安いのが中古タイヤ最大の強みです。ブリヂストンやダンロップなどの有名メーカーのタイヤも格安で購入できるため、「とにかくタイヤの購入価格を抑えたい」人には向いています。
ただし使える年数は新品ほど長くはありません。早々にまたタイヤ交換のタイミングがくるかもしれない点は押さえておきましょう。

また中古タイヤはある程度の距離を走行しているものが多いため、新品タイヤには必要な「慣らし運転」が不要な点もメリットといえます。

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中古タイヤのデメリット


タイヤは走行と時間経過による劣化が避けられません。中古タイヤは確かに価格は安いのですが、相応のデメリットもあります。
中古タイヤのデメリットを3つ、解説します。

走行性能は新品に劣る

タイヤは消耗品です。走れば走っただけ溝は減り、ゴムは硬化します。中古タイヤの走行性能は、絶対に新品には及びません。
また運転の癖がタイヤにあらわれている場合もあります。「タイヤの擦り減り方に偏りが出る」「4本の摩耗が均等ではない」といった中古タイヤもあるため、注意しましょう。

状態が良くないタイヤもある

保管されていた環境が悪く、状態が良くない中古タイヤも数多くあります。中には製造されたばかりのはずなのに、とても新しいとは思えないタイヤもあるほどです。

タイヤは、使わず置いておくだけでも劣化します。紫外線やオゾン、風雨、熱など、さまざまな要素がゴムを硬化させるからです。

ブリヂストンの調査では「適正に保管されたタイヤであれば3年間は新品のタイヤと同等の性能を発揮する」とわかっていますが、タイヤメーカーが適正に保管したタイヤだという点を忘れてはいけません。一般のユーザーが自宅や倉庫で保管する限り、経年劣化は避けられません。

参考サイト:ブリジストン
https://tire.bridgestone.co.jp/about/maintenance/keeping/

修理されたタイヤも出回っている

中古タイヤの中には、パンクなどの修理歴を持つタイヤもあります。パンクしても、すぐに整備工場で修理してもらえば不具合なく乗れますが、パンクに気づかず走行を続けたためにタイヤ全体が傷んでしまったり、パンクの穴周辺に細かなヒビが入たりなど、傷を持ったまま売られている中古タイヤもあります。

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中古タイヤ購入時の注意点


どうしても中古タイヤを買う必要がある場合、購入前にかならずチェックしたいポイントがあります。

  • タイヤの状態をしっかり確認する
  • 製造年月日を確認する
  • 本体以外にかかる費用を見積もる

それぞれを解説します。

タイヤの状態をしっかり確認する

タイヤが安全に走るためには、「溝の残りが十分あること」「ゴムが劣化していないこと」「ヒビなどの傷がないこと」が重要です。それぞれ目視し、品質をしっかり確認しましょう。

◎溝の残り具合の調べ方

タイヤには溝の残り具合を示す「スリップサイン」がついています。摩耗によってスリップサインがあらわれたタイヤは、法律により乗ってはいけないと定められています。タイヤのすべてのスリップサインをチェックし、溝が十分残っているか確認しましょう。

◎ ゴムの状態の調べ方

状態の良いタイヤは、ゴム特有の柔らかさや弾力性があります。タイヤを実際に指で押してみて、ゴムの状態を確かめましょう。

◎ 傷の調べ方

タイヤのトレッド面やサイドウォールをくまなくチェックし、傷の有無を調べます。細かなヒビがないかも確認しましょう。

品質のチェックに自信がない方が中古タイヤを購入するのは、品質面からも安全面からもおすすめできません。
またタイヤ本体を見て触ることができない通販も、避けた方が無難です。

製造年月を確認する

タイヤは製造から10年が使用期限です。またメーカーは、「使用開始後4~5年での交換」を推奨しています。いずれもゴムの経年劣化・硬化が理由です。中古タイヤを購入する際は製造年月を確認し、4~5年が経過しているタイヤは避けるようにしましょう。

タイヤの製造年月は、タイヤのサイドウォールにある5~8桁程度の英数字からわかります。
たとえば「XX2519」なら、後ろの2桁(19)が西暦の下一桁を表します。その前の2桁(25)は、1月1日の週を第一週とし何週目に製造されたかを表します。
「XX2519」は「2019年第25週」に製造されたということです。第25週は6月中~下旬に相当します。

【2024年最新】タイヤ製造年月日の見方とは?年式の調べ方、タイヤ交換のタイミング

本体+整備費の総額を見積もる

中古タイヤは、タイヤ本体の割安感に目が行きがちです。ただ、タイヤ交換にはさまざまな費用がかかることを忘れないようにしましょう。

タイヤの持ち込み交換には、工賃を割り増しにする工場もあります。持ち込みタイヤの交換には対応していない工場も多いため、事前に交換してくれる整備工場を見つけておくことも大切です。

◎ タイヤ交換にかかる費用(4本の場合)

交換工賃 8,000~12,000円本(持ち込みなら12,000~18,000円)

組み換え工賃 4,000~6,000円

バランス調整費 2,000~4,000円

ゴムバルブ交換費 1,200~4,000円

廃タイヤ処分料 2,000~4,000円

合計 17,200~30,000円

新品のタイヤを購入し交換してもらう場合は、工賃の割引やサービスが受けられる場合があります。タイヤを安く買いたい人ほど、必要な整備費まで含めて費用を見積もる手間を惜しまないようにしましょう。

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まとめ

節約志向が高まる昨今、「タイヤの購入費用をできるだけ抑えたい」方も増えています。だからといって、中古タイヤを選ぶのはおすすめできません。中古タイヤは性能や状態が良くないものも多く、安全走行に不安が残るケースもあるからです。

より安価に購入できる通販も人気ですが、現物を見て取引ができない通販は、もっと危険です。商品画像だけではタイヤの全面を確認できませんし、画像に写らない部分に傷があったという悪質なケースに遭遇するおそれもあります。

安心して車に乗るためにも、新品タイヤがおすすめです。少しでも安く買いたい方には、価格に自信があるタイヤ流通センターをご利用ください。

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監修者:こげパン
現在、一級自動車整備士(整備士歴10年)として整備工場に勤務。専門学校卒業後、輸入車ディーラーに整備士として勤務、6年間で3社を経験。その他、「国家二級ガソリン自動車整備士」「国家二級ディーゼル自動車整備士」「アーク溶接」「低圧電気取扱者」の資格を保有。

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