タイヤチェーンとスタッドレスタイヤはどっちがいい?メリット・デメリットや併用について解説

冬の路面は、積雪や路面凍結によるスリップ事故などの危険が多く潜んでいます。スタッドレスタイヤを履いたり、タイヤチェーンを装着して対策している方も多いでしょう。しかし、「スタッドレスタイヤとタイヤチェーンのどちらが効果的なのか分からない」という方が多いです。

そこで今回は、タイヤチェーンとスタッドレスタイヤはどちらがいいのか、メリット・デメリットなどについて解説します。冬の道は危険が多いので、適切な安全対策をして運転しましょう。

▼この記事でわかること
・タイヤチェーンとスタッドレスタイヤのどちらが良いか
・タイヤチェーンとスタッドレスタイヤのメリット、デメリット
・タイヤチェーンとスタッドレスタイヤの併用について
・タイヤ流通センターならお得にスタッドレスタイヤ交換ができること

雪道を運転する際に注意すべきこと


雪道を運転する際の注意点は、タイヤチェーンやスタッドレスタイヤの装着のみでなく、運転技術が必要になる場面が多くあります。

雪道の運転に慣れていない方は、人がいない広い場所で練習をしてから走行する方が良いでしょう。たとえ、スタッドレスタイヤやタイヤチェーンを装着していても、確実に安全とは言えません。場合によっては、スリップをしたりハンドル操作が上手くできないなど、直接的に事故につながる可能性があります。

雪道での運転は、適切な対策と多少の運転技術が必要となることがあるので、最低限知っておくことをおすすめします。

ノーマルタイヤのみで運転しない

雪道をノーマルタイヤで走行することは、大変危険です。ノーマルタイヤで雪道を走行すると、ブレーキが効かないやスリップする、ハンドル操作ができないといった状態になり、最悪の場合事故につながります。

最も簡単な雪道の対策は、「スタッドレスタイヤ」に履き替えることです。値段はノーマルタイヤより高くなりますが、スタッドレスタイヤには安心感があります。雪が降る前の秋の間に、タイヤ交換をしておくことをおすすめします。

車間距離を確保する

雪道では、通常の路面と比べ制動距離が長くなるので、車間距離の確保が重要になります。運転中の車間距離には目安があり、30~60km/hで走行している場合は、「走行スピードからマイナス15をした数値」が適切な車間距離といわれています。例えば、50km/hで走行している車は、35m以上の車間距離が必要となります。

60km/h以上のスピードで走行している車は、そのスピード分の車間距離を空けなければなりません。つまり、80km/hで走行していたら、80m以上の車間距離を空けます。

しかし、この距離は乾燥した路面での車間距離なので、雨天時や凍結時にはもう少し車間距離をとる必要があります。雨天時や凍結時には、前方の車の動きに注意をし、乾燥している路面の2倍以上の車間距離を空けて運転するようにしましょう。

3つの急を避ける

雪道では、特に「急発進」「急ブレーキ」「急ハンドル」の3つの”急”がつく運転はしないように注意しましょう。

凍結した路面での急発進は、タイヤが空転して車が動かず、身動きが取れなくなる原因となります。タイヤが空転して動かなくなると、車を押して滑らない場所まで移動させたり、タイヤの回りの雪や氷を除去するなどの対策が必要です。発進時は、できるだけゆっくりとアクセルを踏み、ゆっくり発進をしましょう。

凍結した路面での急ブレーキは、タイヤが滑ってしまい車が止まれず、コントロールが効かず事故の原因になります。停止する時は、普段より早めにブレーキを踏み始め、少し長い時間をかけてゆっくり止まるように心掛けましょう。

同様に、急ハンドルをしてしまうと、タイヤが滑ってしまいハンドル操作ができなくなってしまいます。すると、予期せぬ方向へ車が進み、慌ててしまうことで事故につながる可能性があります。

雪道や雨天時の運転は、3つの急がつく運転をしないよう心掛け、ゆとりを持った運転をするようにしましょう。

タイヤチェーンとは


タイヤチェーンは、ふかふかの柔らかい雪の上や凍結したアイスバーンのようなつるつるした路面を走行する時に、必須のアイテムです。

スタッドレスタイヤは、踏み固められた雪の上を走行する目的で作られています。スタッドレスタイヤでも対策としては有効ですが、タイヤチェーンとセットで用意しておくと安心できます。

特徴

タイヤチェーンの特徴は、雪道や凍結した路面でタイヤに装着することで、タイヤがスリップして動けなくなるのを防ぐことができます。

ノーマルタイヤとの併用より、スタッドレスタイヤとの併用の方がより効果を発揮し、より安全に走行することができます。

メリット

タイヤチェーンのメリットは、以下のようなものがあげられます。

・スタッドレスタイヤより価格が安い
・チェーン規制に対応している
・雪道での走行性能がスタッドレスタイヤより良い
・収納が省スペース

タイヤチェーンのメリットは、なんと言っても価格の安さで、安いものは3,000円ほどで購入できます。タイヤチェーンは、金属製と非金属製の2つがあり、非金属製の方が価格は高くなりますが、着脱が楽なことや走行音や振動が金属製と比べ穏やかになります。

冬の高速道路や山道では、チェーン規制が出されることがあります。タイヤチェーンを保有していれば、規制が出た場合でも対応可能です。

タイヤチェーンは、スタッドレスタイヤより雪道での走行性能は高いです。タイヤチェーンは、雪道も凍結路面でもグリップ力が高く、確実に車を動かすことができます。

タイヤチェーンはコンパクトに収納でき、持ち運ぶことができるので携帯性が良いです。また、冬場以外でも省スペースで保管できるので、あまり困らないでしょう。

デメリット

タイヤチェーンのデメリットは、次のようなものが挙げられます。

・暖かい日でも装着が難しいチェーンを冬のかじかんだ手で装着する必要がある
・走行音や振動がある
・脱着の手間がかかる
・スピードがあまり出せない

タイヤチェーンの一番のデメリットは、暖かい日でも装着が難しいのに、冬のかじかんだ手で装置しなければならない事です。毎年チェーンを装着して慣れている方であれば、スムーズに取り付け可能ですが、初心者や付け慣れていない方は装着に時間がかかるでしょう。
また、チェーンは、雪道や凍結路面では装着したままで良いですが、乾いた路面では外さなければなりません。乾いた路面でチェーンを使用すると、チェーンの寿命を極端に縮める原因になるからです。暖かいうちに練習をして、冬場にスムーズに装着できるようになりましょう。

スタッドレスタイヤより雪道の走行性能は高いですが、走行音や振動がかなりあります。「ガタンガタン」と無数の段差を乗り越えるような振動と音があり、疲労やストレスになる方も多いでしょう。

タイヤチェーンの素材やメーカーで異なりますが、装着時は30km/h~50km/hに速度が制限されます。高速道路では、速度の出し過ぎに注意が必要です。また、急発進や急ブレーキなどは、チェーンの故障の原因になるので注意しましょう。

スタッドレスタイヤとは


スタッドレスタイヤは、冬の凍結した路面を走行するのに適したタイヤです。雪の降る地域では、必須のアイテムといえます。雪の降らない地域の方でも、旅行先で雪が降る可能性もあるので持っていると安心できます。

特徴

スタッドレスタイヤの特徴は、凍結した路面を走行するのに適しているということです。雪道でのブレーキ性能やハンドル操作、グリップ力を確保することができ、安心して走行できるタイヤです。

スタッドレスタイヤは、4輪に装着して本領発揮できます。駆動輪のみに装着などをすると前後でバランスが崩れタイヤに負荷がかかってしまうので、注意しましょう。

メリット

スタッドレスタイヤのメリットは、次のようなものが挙げられます。

・シーズン中は履き替えなくて良い
・雪道、凍結路面でもグリップ力が確保できる
・乾燥路面でも走行できる

スタッドレスタイヤは、タイヤチェーンのようにシーズン中の脱着を繰り返す必要がありません。冬の間は、そのまま履きっぱなしで良いので楽というメリットがあります。

スタッドレスタイヤはノーマルタイヤと比べ柔らかく作られており、路面の状態に合わせて変形しやすく、路面との摩擦力を強く保つことができます。そのため、雪道や凍結路面でもグリップ力があり、安定して運転ができます。

タイヤチェーンは、乾燥路面での使用はNGですが、スタッドレスタイヤは乾燥路面での使用も問題ありません。ただし、スタッドレスタイヤとしての性能には限りがあるため、シーズンが終わると必ずノーマルタイヤに履き替えるようにしましょう。

デメリット

スタッドレスタイヤのデメリットは、以下のようなものが挙げられます。

・価格が高い
・雨天時は滑りやすい
・燃費が少し悪くなる

スタッドレスタイヤは、ノーマルタイヤと同等もしくはそれ以上の価格となっています。タイヤ自体の価格が高いのもありますが、ノーマルタイヤより消耗が早く交換サイクルが短いので、購入と交換費用が高額になりがちなのがデメリットです。

スタッドレスタイヤは、雪道や凍結路面でクリップ力を確保するため細かい溝が彫られていたり、溝の形状などが原因で排水性能が劣るため、雨天時は滑りやすくなります。そのため、雪が無く凍結していない路面であっても、雨天時の運転には注意が必要です。

タイヤ自体が柔らかく作られているため路面との摩擦が大きく、抵抗も大きいためノーマルタイヤよりも燃費が悪くなります。そのため、冬のシーズンが終わったらノーマルタイヤに履き替えるようにしましょう。

【2023-2024年度】スタッドレスタイヤへの交換が安い時期とは?費用内訳、お店選びのポイント

【2024年最新】スタッドレスタイヤの選び方!おすすめ性能を地域別に解説、乗り方の注意点も

タイヤチェーンとスタッドレスタイヤはどっちがおすすめ?


スタッドレスタイヤとタイヤチェーンのメリット・デメリットをみると、スタッドレスタイヤ
が万能でチェーン無しで良いのでは…、と思う方もいるかもしれません。しかし、スタッドレスタイヤは費用がかかり、保管場所も必要になります。

自分の使用環境に応じて、使い分ける又は併用するのが良いと言えるでしょう。

併用が望ましい

スタッドレスタイヤとタイヤチェーンは、併用することが望ましいです。通常の冬場はスタッドレスタイヤで走行し、スタッドレスタイヤでは対応できない路面の場合にタイヤチェーンを使用する方法が一番良いと言えるでしょう。

ただし、先述したように3つの「急」な運転は避け、車間距離をしっかり確保し、気持ちにゆとりを持って走行しましょう。

ノーマルタイヤとチェーンの組み合わせは?

ノーマルタイヤとチェーンの組み合わせは、あまり望ましくありません。しかし、雪がほとんど降らない地域の場合、保険として車に載せておけば「いざ!」という時に役に立ちます。チェーンがあれば、ノーマルタイヤの場合でも立ち往生せずに済むので、持っていないよりは良いでしょう。

冬場はスタッドレスタイヤを履いてチェーンを準備しておこう


冬場の安全対策として、スタッドレスタイヤを履いてチェーンを準備しておきましょう。基本的には、スタッドレスタイヤで対応できるので冬を乗り越えることができますが、突然の大雪やチェーン規制などのときにはチェーンを準備していれば安心できます。

「備えあれば憂いなし」という言葉があるように、その日その時の状況に合わせて最適な運転ができるように準備しておきましょう。

まとめ

今回は、タイヤチェーンとスタッドレスタイヤはどっちがいいのか、メリット・デメリットなどについて解説しました。タイヤチェーンもスタッドレスタイヤも雪道を走行する上で必要不可欠なアイテムです。

スタッドレスタイヤとタイヤチェーンがあれば、雪道で立ち往生することなく進むことができます。しかし、雪道では3つの「急」がつく運転は必ず避けましょう。事故につながる危険性があります。

スタッドレスタイヤとタイヤチェーンは、自分の地域の環境により使い分けたり、その時々の状況に応じて併用してしっかり安全対策を行いましょう。

タイヤ流通センターは、同じメーカーでもタイヤの種類ごとに価格が異なるという従来のわかりにくさを撤廃しました。同一メーカーなら、どのタイヤを選んでも均一価格でご提供します。

まずはWebから、タイヤ流通センターの「かんたん30秒見積り」をお試しください。

車種とタイヤサイズを選択するだけで、その場ですぐにお見積りをお出しします。店頭にないタイヤも、専門店ならではの流通ルートでお手配します。

 

監修者:こげパン
現在、一級自動車整備士(整備士歴10年)として整備工場に勤務。専門学校卒業後、輸入車ディーラーに整備士として勤務、6年間で3社を経験。その他、「国家二級ガソリン自動車整備士」「国家二級ディーゼル自動車整備士」「アーク溶接」「低圧電気取扱者」の資格を保有。

icon