タイヤを1本だけ交換するのはアリ?修理できるパンクや予防策について

「ふと気付いた時にタイヤがパンクしていた」という経験がある方は、多いのではないでしょうか。「パンクしたタイヤは修理できるのか、交換した方が良いのか分からない…」、という方も多くいらっしゃいます。また、タイヤを交換する場合は1本だけで良いのか、2本・4本まとめて交換した方が良いのか自己判断できない方もいるはずです。

そこで今回は、タイヤパンクの原因や修理できるパンク・できないパンク、タイヤ交換する場合の交換本数、パンクの予防策などについて解説します。パンクは急に起こるので、普段からできるだけパンクを防ぐ工夫をしておきましょう。

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タイヤパンクは車トラブルの多くを占める


タイヤのパンクは、車のトラブルの中でも多くを占めています。令和3年度(2021年)に国土交通省の実施した「路上故障の実態調査結果」によると、一般道で発生した車のトラブルのうち32.1%をタイヤ関係が占めています。高速道路に至っては、49.0%がタイヤ関係の故障となっており、タイヤ関係の故障が圧倒的に他の故障より多く発生しているのが分かります。主な故障状況は、パンク・バースト、空気圧不足といったものが原因となっています。

タイヤのトラブルは急に発生するので、避けたくても避けられないことが多いです。少しでもトラブルの発生を低下させるため、日頃からタイヤの点検を行うようにしましょう。
参考<国土交通省|令和3年度 路上故障の実態調査結果>

タイヤのパンクに気づかないのはどうして?走行中に気づいた場合の対処法

タイヤがパンクする原因とは


タイヤのパンクには防ぐことができるもの、防げないもの、運転の不注意によるものなど原因は様々あります。また、パンクには種類があり症状や修理の可否が異なります。

パンクの種類 パンクの症状 パンク修理の可否
スローパンクチャー 釘などが刺さり、ゆっくり空気が漏れていく 修理可能なケースがある
バースト 一瞬でタイヤが破裂する 修理不可能

上記で、パンクの種類の違いを表にまとめました。
次に、タイヤがパンクする原因について3つの例を挙げて紹介します。どれもスローパンクチャーやバーストといったトラブルにつながりますので、注意しましょう。

釘や破片・突起物などを踏んだ

走行中に道路に落ちている「釘や破片・突起物など」を踏むとパンクが起こることがあります。タイヤの地面と接しているトレッド部に刺さり、そこから徐々に空気が抜けていく「スローパンクチャー」の原因につながります。釘などの細いものを踏んだ時は、パンクに気づかない事が多く、タイヤの空気がある程度抜けて気づく方が多いです。大きな破片や突起物を踏んだ時は、空気が抜けるスピードが早く、気づく可能性も高くなります。

この釘や破片・突起物などを踏むことが、パンクの原因としてとても多いです。

サイドが縁石に当たった

タイヤ側面(サイドウォール)が縁石に当たったことが、パンクの原因となることがあります。縁石にぶつけることで、タイヤ側面にキズが付いたり、えぐれてしまうことがあります。キズ部分から空気が徐々に抜けたり、えぐれた部分は耐久性が弱くなってしまうのでバーストする原因になるのです。

また、タイヤ側面をぶつけると、外側に異常が見当たらなくても、タイヤ内部が損傷している可能性があります。側面をぶつけた場合は、一度タイヤ専門店やプロの整備士に診てもらうのが良いでしょう。

空気圧不足

空気圧不足のまま走行を続けると、パンクする原因になります。空気圧が不足すると、タイヤが潰れた状態で走行することになるので、タイヤ側面に大きな負荷がかかります。その結果、側面がヒビ割れや側面が摩耗したり、タイヤの内部構造が裂けたりして、パンクやバーストしてしまう可能性があるのです。

定期的なタイヤ空気圧の点検を行うことが重要です。

タイヤの空気圧低下の原因と対処方法、空気圧が与える影響とは

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修理できるパンクとできないパンクがある


パンクには、修理できるものとできないものがあります。ここでは、それぞれのパンクについて解説します。自分のタイヤがパンクした時の状態によって、パンク修理かタイヤ交換が必要か判断できるので、参考にしてみてください。

修理できるパンク

タイヤのトレッド部(地面との接地部分)に釘や破片が刺さった場合のパンクは、修理できるケースが多くあります。しかし、一度パンク修理をしたタイヤは、本来の性能を取り戻すことはできません。パンク修理は、応急処置になるので修理箇所から再び空気漏れを起こすこともあります。パンク修理したタイヤは、早めに新品タイヤに交換しましょう。

修理できないパンク

タイヤのショルダー部(タイヤの肩部分)やサイドウォールに傷やヒビ割れがあるタイヤ、摩耗が進んでワイヤーが露出しているタイヤや偏摩耗していたりスリップサインが出ているタイヤのパンクは、修理できません。

走行中に段差などに激しくタイヤを当ててしまい、ピンチカットという現象が発生したタイヤは修理できません。ピンチカットとは、タイヤ外部には傷などが見られず、タイヤの内部構造のワイヤーなどが断裂してしまう現象のことです。内部で空気漏れが発生することで、タイヤ側面にコブができるのが特徴です。ピンチカットの起こったタイヤは、バーストする可能性があるので使用は避けましょう。

上記のような状態のタイヤは、使用できないので新品に交換しましょう。

パンクしたタイヤを1本だけ交換しても大丈夫?


タイヤ交換は、費用がかかるのでパンクした1本のみ交換でも良いのか気になりますよね。結論から言うと、1本のみの交換でも問題ありません。しかし、条件があります。ここでは、タイヤ交換をする時のタイヤ交換本数について解説します。

原則は4本すべて交換

パンクなどでタイヤ交換が必要になった場合は、原則として4本すべての交換となります。その理由は、「タイヤの経年劣化や摩耗」「グリップに差がでる」「タイヤの外径に差が出る」「4WD駆動に負荷がかかる」などが挙げられます。下記にそれぞれ解説します。

タイヤの経年劣化や摩耗

タイヤはゴムでできているため、年数が経つと劣化します。劣化したタイヤゴムは硬化し、ヒビ割れを起こします。ヒビ割れを起こしたタイヤや摩耗したタイヤは、パンクやバーストを起こす可能性があるので、タイヤ4本交換することが望ましいです。

グリップ力に差が出る

タイヤは、経年劣化や摩耗などによりグリップ力が低下します。グリップ力に左右差が出るとまっすぐ走行できなくなったり、ハンドルが取られる可能性があります。走行不安定になる危険性があるので、4本交換が望ましいです。

タイヤの外径に差が出る

タイヤは、走行すると路面との摩擦により摩耗し、新品時より外形が少し小さくなります。車には、走行中に車体を安定させる為の「VSC(ビークルスタビリティコントロール)やVDC(ビークルダイナミクスコントロール)」という制御が組み込まれています。これらの制御には、各輪のタイヤの回転差も参考に制御が働くため、タイヤの外径に差が大きいと正常に作動しなくなる可能性があります。そのため、4本同時交換が望ましいです。

4WD駆動に負荷がかかる

4輪駆動車は、タイヤ4本交換が前提です。4輪駆動車は、各タイヤの回転差を吸収する仕組みが駆動系に備わっています。タイヤを1本だけ交換すると、回転差が大きくなり、デフやクラッチが余計に働き続けることとなり大きな負荷がかかってしまいます。結果として、機構の摩耗を早めてしまいトラブルに繋がる可能性があるのです。

4本新品交換したばかりなら1本交換でもOK

4本を新品交換したばかりであれば、1本のみの交換でも問題ありません。ただし、交換するタイヤは、同じサイズで同じ銘柄のものを選びましょう。タイヤによって溝の形状が異なるので、タイヤの性能が十分に発揮されなくなる可能性があります。

2本交換がいい場合もある

まだ使用できるタイヤを使用したい場合は、タイヤ2本交換という選択肢もあります。新しくしたタイヤを前輪左右又は後輪左右に取り付けます。駆動輪のタイヤの摩耗が早く進むため、FF車であれば前輪に、FR車であれば後輪に新品タイヤ2本を装着しましょう。

また、FF車であれば前輪が舵取りと駆動を担っているので、新品を取り付けした方が走行安定性にも効果的です。

パンクをできるだけ防ぐためにできること


パンクは突然起こりますが、できることなら防ぎたいですよね。ここでは、パンクをできるだけ防ぐためにできることを紹介します。

空気圧を定期的に確認する

空気圧を定期的に点検することで、パンクが起きるリスクを減らすことができます。また、空気圧の低下に気づくことができ、パンクを早めに発見できる可能性があります。ガソリンスタンドやディーラー・整備工場などで無料でチェックしてもらえるので、自分で点検するのが難しい方はスタッフにチェックしてもらいましょう。

タイヤの寿命を知っておく

タイヤの寿命を知っておくことも大切です。タイヤの寿命は4~5年と言われており、その間のタイヤ交換が望ましいです。しかし、使用状況や保管状況などにより、寿命が前後するので4~5年は目安として覚えておきましょう。

タイヤにも寿命がある?適したタイヤ交換時期とは?!

ランフラットタイヤも検討

パンクの対策として、ランフラットタイヤに交換するという手もあります。ランフラットタイヤは、空気圧が0になっても一定の距離を走行できるタイヤです。つまり、パンクしてもスペアタイヤに履き替えることなくディーラーや整備工場などに自走できます。しかし、あくまで応急的なもので、一度機能が作動したタイヤは交換が必要になります。

ランフラットタイヤとは?メリット、デメリット、寿命と交換時期

まとめ

タイヤのパンクは、車のトラブルの多くを占めています。原因は様々ありますが、空気圧不足でもパンクの原因になります。空気圧不足は、定期的なチェックで予防することができますので行いましょう。パンク修理ができるものとできないものがある点も注意しましょう。

もし、タイヤがパンクしてしまったら、4本交換が原則です。しかし、パンクしていない他のタイヤの状態によっては、1本のみや2本のみ交換という選択肢もあります。どうすれば良いか迷ったら、タイヤ専門店の「タイヤ流通センター」に相談してみてください。タイヤのプロなので、豊富な知識や経験から適切なアドバイスをしてもらえます。また、タイヤ交換後のパンク補償やサポートも充実しています。ぜひ検討してみてください。

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監修者:こげパン
現在、一級自動車整備士(整備士歴10年)として整備工場に勤務。専門学校卒業後、輸入車ディーラーに整備士として勤務、6年間で3社を経験。その他、「国家二級ガソリン自動車整備士」「国家二級ディーゼル自動車整備士」「アーク溶接」「低圧電気取扱者」の資格を保有。

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